遊具で遊ぶこども

娘は小さな頃から人が多い公園や、遊び場がとても苦手。これは小学校になっても、そして10代になっても変わらずです。

特に幼児の頃は苦手さが顕著に出ていました。せっかく連れていっても、入り口で怯えた様子で固まったまま動かず、親子で途方に暮れるということを幾度となく繰り返しました。

そして、母である私も公園に行きたくなくて、心がどんより。それでも公園に行くメリットがあり、なんとか重い足を引きずって行っていたことを思い出します。

でも、なぜ我が子は公園が苦手なのか、明確な理由がずっと分からずに居たんです。

娘には言語の遅れがあったので、理由を娘本人から聞くことはなく幼児までは分からずじまい。

でも時が経って小学生になり、娘の言語力が増えたことと、とある臨床心理士さんとの出会いから、ようやくなぜ公園でうまく遊べなかったのか、なぜ公園が苦手なのかが分かるようになりました。

ということで今回は、母である私の公園に行きたくない症候群をどう乗り越えたか、娘がなぜ公園が苦手だったのか、理由について、足跡を残しておこうと思います。

発達障害の子育て、公園がしんどい、行きたくない!どう乗り越えたか。

道

あくまで私の体験ですが、公園に行くのが本当に嫌でした。なぜ嫌だったのかというと、我が家の場合は、

  • 遊具でうまく遊べないから
  • 他の子がいると遊べないから
  • 我が子の発達の遅れや偏りが顕著に分かるから
  • 問題行動(パニックなど)が起きてしんどかったことがあるから

でした。お子さんによっては、お友達とトラブルになるからとか、周りにちょっかいをかけてしまうからなど、様々な理由があると思います。

そんなに嫌なのに、なぜ公園に行き続けていたのか。

公園に行くことにメリットがあったからなんですよね。

遊具はうまく出来ていて、色々な体の機能を使えるようになっています。様々な遊具があればあるほど、様々な体の使い方を体験できるんですよね。

我が家の場合は私があまりに公園に行きたくなくて、大型遊具をお家用に購入したのですが、家におけるのはせいぜい1台が限界。やはり公園には勝てません。>>お家に大型遊具を設置!

なので、不器用さがある娘にも出来る限り遊具で体の使い方を体験させなければという半ば義務感があり、気力を振り絞って出来る範囲で通い続けていました。

行きたくない気持ち、どう乗り越えた!?

体の使い方を学べるというメリットを考え、なんとか公園に行っていました。でも、本当にしんどい時は次のような対策をしていましたね。

  • 朝早くとか夕方ぎりぎりなど、子どもが少ない時間を狙って公園に行きました
  • 子どもと30分などの短時間で遊ぶ約束をあらかじめしてから、公園に行きました
  • どうしても行きたくない時期があり、家用に大型遊具1台設置しました>>お家に大型遊具を設置!

今振り返ると、「公園に行かなくては」と、すごく必死だった自分がいます。今、当時の自分に声を掛けるのなら、

そんなに気負わず無理しなくても大丈夫!

と言いますね。

そもそも、娘自身も公園ではうまく遊べないことが多く、公園遊びに苦戦していたんです。だから余計に、無理しなくて良いと伝えたいですね。

公園が苦手、うまく遊べなかった理由とは!?

電球

娘の場合、公園が苦手でうまく遊べなかったのには、2つの理由がありました。それが次の通り。

  • 自分の心地良いパーソナルスペースが保てないから(他に子どもがいると遊べない)
  • 力や筋力が弱く、不器用さも重なって遊具が怖いから

我が家も度々、子供に人気の大きな公園やダイナミックな遊具がある公園に意気込んで連れていくも、結果的には意気消沈なことばかり。

人が少ない場合は時間をかければ楽しく遊べたこともありますが、子どもたちで混んでいる場合は大抵固まって動かずでした。

でも、上記の2つの理由があったと分かった今は、『そりゃ、遊べないよね。』と納得できます。子供に人気で混んでいるほど、難易度の高い遊具があり、娘にとっては苦しかったはずです。

まず、他の子が大勢いると自分のパーソナルスペースが保てないことから遊べませんでした。

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小学生になると娘が、『混んでいるから公園には行きたくない』、『お友達が怖いから嫌だ』と自分から伝えてくるようになりました。

この言葉から、公園に行きたくないのは分かったものの、なんだかまだしっくり来なかったんですよね・・。

でもよく考えると、以前から外出するといつも後ろ(背後)を気にしていて、怯えている様子がありました。

人気の公園だと滑り台なども勢いよく子供たちが走ってきて列を作るのですが、自分の後ろに人が近づくのが怖いのか、いつも私(母)が後ろに居ないと安心せず滑ることができなかったんです。

私が後ろに居ない状況でお友達が後ろに来るのが分かるとせっかく並んでいた列から離脱して、滑るのを諦めてしまうんですよね。

娘本人も『お友達が怖い』とは伝えてくれていたものの、うーんどういう怖さなのか、なぜ背後が気になるのかが不思議で、とある臨床心理士さんに相談したら、今まで不思議だったことがすべてしっくり。

なぜ、後ろが気になって、お友達が怖いのかというと、

自分のパーソナルスペースが保てなくなり、娘本人にとって安心・安全がなくなるから

でした。もうこの説明にすごくしっくりきましたね。今まで、ずっと抱えてきた不思議が一瞬にして解明。『あぁ、だからあの時は・・』の連続でした。

娘はパーソナルスペースの確保が、安心・安全に繋がっていたんです。

そもそも、不安が高い状況下で遊ぶのは難しいですよね。慣らし保育があるように、お母さんの姿が見えない環境下では不安が強く、泣いて遊ぶどころではない、そんな状況は簡単に想像がつきます。

娘にとっては、人気の公園は子どもが多すぎて、自分のパーソナルスペースが保てなかったんです。

教えてくださった臨床心理士さんいわく、発達障害や特性を抱えるお子さんには、パーソナルスペースが大事な子が多いのだそうです。

特に子供の行動は大人よりも動きが早く予測不可能。子どもに人気の混んでいる公園では、他のお友達がいつ自分のパーソナルスペースに入ってくるのか、脅威だったんです。

これが公園が苦手で、うまく遊べなかった1つ目の理由でした。

2つ目は、力や筋力が弱く、不器用で遊具が怖いからでした。

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そもそも、力や筋力が弱かったのと、不器用さ、身体感覚の把握がうまく出来ずに、遊具が怖かった本人が言いました。

小さい頃の娘にとって、私(母)が見て楽しそうな遊具は、彼女の安全を脅かす怖い遊具だったんです。だから、公園に行っても楽しいはずがないし、意欲も湧かない。

そもそも娘は、発達の記録を読んでいただくとと分かる通り、赤ちゃんの頃から力が弱くて手首がクネクネしていた印象がありました。そんな様子もあってとても不器用だったんです。

>>発達記録、特徴!

なので、公園に行っても、遊具を見て尻込む。

例えば、ハシゴを登って滑る滑り台なんかは、とにかくハシゴを登るのにバランスを保つのが難しい様子があったり、滑り台も足を滑り台の上に片足ずつ出すのも、なかなかうまく出せなかったりと、1つの遊具でも手間取っていました。

ジャングルジムでも、自分の体の感覚と実際が合致しないようですぐに頭や体がぶつかって涙する。そんな様子がたくさんありました。

これも『怖い、怖い』としっかり自分で言葉で表現出来るようになったのは、年長の2学期以降。言葉をもって徐々に理由が分かるようになりました。

でもやはり、体の使い方が分からないと怪我に繋がるため、ある程度はトレーニングが必要だったと今も思います。(→実際に転んだ時に手をつけずに大きな怪我をした経験もあり。)

でも、人気の高い大きい公園である必要はなく、あえて混んでいる公園に行く必要もなかったなと今振り返ると分かります。実際、人がいなくてゆっくりと楽しめる公園では、娘も遊べていたんですよね。

公園が苦手!嫌がる!成長してどうなった!?

夕日と海

彼女が「苦手」「行きたくない」としっかりと表現できるようになったことで、小学生の低学年以降公園はほとんど行かなくなりました。

その頃には最低限の体の使い方も出来るようになり、日常生活で不便さがなくなってきたことも大きな要因です。

そして、現在もやはり人が集まる場所等は苦手ですね。ただ年齢と共にパーソナルスペースが柔軟になり、幼児や小学生の頃ほどではありません。

振り返ると、無理に連れ出して娘に負担を掛けていたことに気づきます。でも、怪我防止には、ある程度遊具のトレーニングは有効だった気も・・。

今は運動系の療育先もたくさんあるので、そういう療育先を選んでしまえばわざわざ公園に行く必要もないですよね。

何が正解だったのか分かりませんが、今思えば、そこまで気負わずとも、たまに公園に行く程度で良かったのではと感じています。

今悩まれている方は、すでに最善を尽くしていると思います。そんなに気負わなくても大丈夫。

今は考えられないと思いますが、不思議とあの頃が懐かしい、なぜあんなに頑張りすぎたのだろうと振り返る時期がきます。もう少し楽をして大丈夫。応援しています。

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