夕日と海

我が家の場合、娘に障害告知(障害を抱えているということを子ども本人に伝えること)をしています。

娘が幼い頃は「いつかは障害告知の必要があるかもしれない。」と漠然と思っていましたが、その時は突然訪れ、さらりと終わりました。

ということで今回は、障害告知について、我が家の足跡を残しておきたいと思います。

発達障害、子どもへの障害告知は必要!?障害告知をした5つの理由!

葉と光

子どもに障害を抱えていることを伝えるかどうか。発達障害で知的遅れがなかったり、グレーゾーンや軽度知的障害で普通級に通ったりしているお子さんを育てている親御さんは悩まれる方も多いのではないでしょうか。

我が家の場合は、子どもへの障害告知は必要な状況になりました。なぜ、障害告知をしたのかというと理由は次の通り。

 理由1:手帳を取得していたから。

我が家は、子どもがグレーゾーンと言われていた幼児期から医師に発達障害の診断書を書いていただき、療育手帳を取得していました。

その頃は、娘が今後どう成長するのか、大人になっても支援が必要なのか、健常のお子さんと同じように社会生活が送れるのかなどの見通しが立たず、障害告知については「いずれ必要かもしれない。」程度の考えでした。

でも、子どもが小学校中学年の頃に「障害告知をする必要があるかもしれない。」と障害告知を強く意識するきっかけが訪れました。そのきっかけとなったのが、子どもが療育手帳の存在に徐々に気付き興味を示すようになったこと

療育手帳は更新する必要があり、手続きの際には手帳が必要ですし、児童発達支援等の利用や様々な割引適用の際にも提示が必要だったりします。

娘が幼い頃は、手帳について娘もさほど興味を示さなかったのですが、小学校中学年になると「それ何?見せて!」と言うように。その内「障害って書いてあるね。」と言われることも。

最初は、そんな娘の言葉に「なんと言おうか。」と、私の方が戸惑っていました。まだ障害告知について考えがまとまらず、なんとなくはぐらかしていたのを覚えています。

でも、はぐらかすことが増えるにつれて、私の心の中に後ろめたい感情が芽生えるようになりました。

 理由2:障害告知なしでは子どもに嘘を付くことになるから。

娘が療育手帳に興味を示し私に疑問を投げかけているのに、なんとなく「手帳だよ。」とか「これはお母さんのだから。」などと、はぐらかしていることに私の心が限界に・・。

だって、「手帳」は確かに正しいけれど、療育手帳は世の一般の方が「手帳」といって想像するスケジュール帳やメモを書く手帳とは違いますよね。

それに、「お母さんのだから。」というのも違う。療育手帳の対象は子どもで、子どもの支援のために必要なもの。なので、実際は子どものもの。

「このままでは子どもに嘘を付くことになりかねない・・。それはまずい、」と、はっきりと感じるようになりました。

 理由3:子どもにありのままの自分で良いと伝えたかったから。

その内に自分に自問自答するようになります。

そもそもなぜ療育手帳の存在を隠さなきゃいけないのか。子どもの障害を隠したいのは自分じゃないのか。

こんな疑問が浮かぶように。ひとしきり、色々な疑問が浮かんだ後に私はどうしたいのかと考えると、

今後彼女が人生を歩むにあたって、隠したり飾ったりする必要もなく、ありのままの娘で良いということを伝えたい

と思ったんです。であれば、療育手帳や障害についてありのままを娘に開示しようと思うようになりました。

理由4:この先も支援が必要だと考えられたから。

それに、娘の場合は年齢が上がるにつれて、軽度知的障害にも該当するようなったんですよね。つまり、この先も支援が必要になると予測がつきました。

身辺自立はしており、1人で公共交通機関も利用します。となれば、娘が中高生になったら自分で療育手帳を提示する必要性も出てくると思えました。

だったら、療育手帳についての説明やその理由(障害告知)は早い方が良いと考えました。

実際、障害告知を済ませて10代になってからは、公共交通機関を利用する際など自分で提示しています。

理由5:医師から伝えた方が良いとアドバイスを受けたから。

そして最後、障害告知をしようと考えた直前に、以前診てもらっていた医師に障害告知についての意見を聞きに行きました。

すると、軽度知的障害に該当し、普通級に在籍していた状況も踏まえ、娘の状況であれば「できるだけ早く障害告知をした方が良い。」というアドバイスを医師から受けました。

特に普通級に在籍している場合は、本人が障害を意識する機会が少なく、なんとなく普通級のまま進み社会人になってしまう例もあるそうなんです。

そして、社会人になってつまずいてから、親に連れられて医師を訪れることがあるようなんですが、社会人になってから障害告知を受けると本人が受け入れられずになかなか支援に繋げられないケースがあるとのこと。

大人になってからの障害告知で本人が受け入れられない場合、本人には相当辛いものがあるとアドバイスを受けました。

このように、最後に医師からのアドバイスを受け、実際の障害告知へと繋がったことになります。

発達障害、障害告知はいつする!?その時期にした理由!

はてな

我が家の場合は小学校5年生の時に障害告知をしています。

なぜその時期にしたかというと、娘が療育手帳に興味を示し、質問をしてきていたから。そして、今後中学生になり、自分で手帳を持参し提示することを見据えていたから、というのがその時期にした理由です。

実際に障害告知をしてどうなった!?

道

我が家の場合は、娘に「苦手に感じていることがあるよね。」(→実際に学校で本人も苦労している面。)という話からスタートさせ、それが障害を持っているということだと伝えました。

そして、そんな苦手なところを支援してもらいやすくするツールが療育手帳だと説明したですよね。

さらに、どんな人でも障害を持つ可能性があり、障害があっても大丈夫。そのままで良いし、愛情は変わらないこと。障害を持っていることで悪く言う人もいるけれど、そうじゃない人もいるから大丈夫というようなことを伝えました。

すると、「そうなんだ。なんで障害を持って生まれてきたんだろうね?」という返しの言葉でさらりと終わりました。

私にとっては最後の「なんで障害を持って生まれてきたんだろうね?」という言葉にぐっと心をえぐられるような思いを感じましたが、ごもっともな質問だと受け止めています。なので、「本当だね。人はみんな違って、いろんな人がいるからね。」と返しました。

リアルな話をすれば、健常だったとしても、怪我や病気で障害を抱え、手帳を取得する可能性も十分あるんですよね。実際、病気で手帳を持っている身内がいて、娘はその身内と手帳を見せあいっこしていました。障害を持っている身内がいたことは、娘にとって大きな支えになったのかもしれません。

ただ、娘が私たちと同じように障害について理解をしているわけではないと思います。きっと、徐々に「あ、そういうことか。」と彼女なりに理解していくことになり、その過程で壁にぶつかることもあるだろうと考えています。

でもその都度親として、「障害があっても、そのままで良い。親の愛情は変わらない。」というメッセージを伝えていこうと思っています。

障害告知の注意点!

電球

障害告知については、仕方や時期など含め、いつが適切なのかは千差万別。障害告知によってお子さんがどう反応するかも、全く違いますし、した方が良いのかも含め、事前に100%の答えがでることはないんですよね。

何が正解なのか分からないということ。この点は理解しておきましょう。

そして、万が一に備え、相談できる場所をおさらいしておくことをオススメします。かかりつけの医師やスクールカウンセラー、心理士、療育先の先生など、頭に思い浮かべておくだけでも、いざというときに行動しやすくなるはずです。

以上が、障害告知について我が家の足跡でした。

この足跡が、少しでも参考になれば嬉しく思います。

 

おすすめの記事