我が子は、3歳半に発達障害(高機能自閉症)と診断され、当初はお友達や周りの人に興味がなく、とても大人しいタイプでした。それが入園を機に徐々に変化し、年中、年長の頃には激変。
お友達へのちょっかい行動が毎日のように報告されるようになり、相手のお子さんが嫌がっているということで、母として頭を抱えました。
相手のお子さんや親御さん、先生に対しは申し訳ない気持ちでいっぱいだったのですが、いくら娘を注意したり叱ったりしても娘の行動が止まることはなく、毎日心が潰されそうでした。
ということで、今回はお友達へのちょかい行動について、我が家の体験談をまとめておこうと思います。
ちなみに我が家の娘ですが、小学生になりぴたりとちょっかい行動はなくなりました。娘の場合は、ちょっかい行動には原因があり、成長がカギを握っていたと言えます。
娘のちょっかい行動体験談!医師に相談して言われたこととは!?
未就園児や年少の頃までは人を怖がり、人への関心もなかった娘。そもそも人と関わるということがなかった分、お友達へのちょっかい行動が出始めた頃は、母としてとてもとまどいました。娘の場合、どんなちょっかい行動をしていたかというと、大まかに言えば次の通り。
- お友達に自分が好きな感覚刺激を与え続ける
- お友達が嫌がっていることを繰り返し続ける
- お友達が「やめて」というのに、やめられない
- お友達に同じ質問を何十回もする
具体的な例を挙げると、娘は頭をコンコンと自分でたたいたり、物を頭に当てたりして感覚を楽しんでいたのですが、それをお友達の頭にしてしまうのです。
本人は「心地良いこと」でも、お友達は嫌がっており、叩くという行為と酷似していることから、良い行為ではないのは明らか。そして、お友達が嫌がっていても続けてしまうという報告が園の先生からありました。
また、お友達と遊びたいがために、お友達のおもちゃを取り上げてしまったり、一緒に遊べないと言われ遊べなかったことでその子がやっている遊びをぐしゃぐしゃにしてしまったり、つねってしまったり、「名前なんて言うの?」と何十回もしつこく聞いたりなど、とにかくお友達が嫌がっていることを遊び感覚でずっと続けてしまうようだったのです。
療育先の先生や、園の先生からは「人への関心が少しずつ出るようになって、成長した証でもあるから」と言ってくださったのですが、もう頭を抱えましたね。ピークだった年長の頃は、毎日そういった報告が続いたため、精神的にかなり追い詰められていました。
というのも、報告を受けていくら娘を諭しても、叱っても、すぐになおらないし、改善されないのです。もうあまりの苦しさに、担当医にも相談したところ、
と優しく言われ、大きく頷いてしまいました。だから、発達障害という診断が下る、その通りだと思いましたね。
でも、そんな困り果てた行動にも、ちゃんと理由や原因がありました。そして、そんな行動は、成長と共に出なくなり、どんどんと減っていったのです。
小学校中学年になると、そういった行動は0。皆無になりました。
ということで、ちょっかい行動の原因や、どうやって対処していったのか、次にお話していきましょう。
お友達へのちょっかい行動、3つの原因と対処法!
毎日の先生からの報告を通して、娘がなぜお友達にちょっかいを出してしまうのか、次の3つの原因が見えてきました。
対処法と合わせてまとめていきますが、対処法には、その時に親としてしてきたことを記載しています。ただ、実際のところ全面的な解決となるには、「成長を待つしかなかった」そんな感覚が大きいです。
原因1:言語の遅れから、ちょっかいが自己表現の手段だったから。対処方法とは!?
娘は、言語の遅れがあって、幼稚園の頃は会話も難しく、気持ちを言葉で表現することも出来ませんでした。なので、言葉に代わって気持ちを表現する手段が行動だったのです。
なので、ちょっかいを出す相手は、自分が大好きな子。「一緒に関わりたい」、「一緒に遊びたい」という子でした。言葉での関りが難しいため、関わるために娘なりに考えだした行動が「ちょっかい」になってしまいました。
遊びたいお友達と一緒にうまく遊べない、不器用さからおもちゃ遊びもうまくついていけない、そんな時に決まってその子が遊んでいる遊びを妨害する(ぐしゃぐしゃにしたり、つねったり、おもちゃを取り上げたり)という行動が出ていました。
対処法は!?どうした!?
娘の場合は、言葉が出ない分、気持ちが乱れた時に表情や態度が瞬時に一変していました。別人のように変わる言われたこともしょっちゅう。
fa-lightbulb-oなので、第一に表情や態度が一変したらちょっかい行動が出る合図になるということと、言葉の代わり行動で表現してしまうということを担任の先生と認識を共有していました。
その上で、表情や態度が一変したと先生が分かるタイミングがあれば、相手のお子さんにご迷惑がかかってしまうようならその場から離してもらうようにお願いしておきました。ただ、園に恵まれたこともあり、それも大事な学びだからと、先生が間に入って、学ぶ機会にしてくださっていたことが多かったです。
例えば、先生が寄り添ってその状況にふさわしい気持ちを言葉で代弁したり、ちょっかい行動ではなく、うまく遊べるための関り方を学べるようサポートしてもらったり。
ただ娘の場合は、一旦スイッチが入ると、叱っても注意されてもちょっかい行動を続けてしまい、長期化する傾向にあったので、その場合はお友達と一旦離れる場所に移動するなど、クールダウンさせてもらうようお願いし、先生も対応してくださっていました。
fa-lightbulb-oそして、第二に、療育先の先生からのアドバイスで、言葉で表現する方法を学べるよう、家庭で取り組み、園では先生にお願いをしていました。
具体的に園では、出来る範囲でその状況にあった気持ちの言葉を先生に代弁してもらうようお願いしていました。お友達から遊べないと断られたら「くやしいね」とか、「イライラしちゃったね」、「一緒に遊びたかったんだね」など。
家庭でも同じように気持ちの言葉を、娘の代わりに私がよく代弁するように心がけました。そして、「気持ちをお口で伝えて良いからね」とずっと祈るように言い聞かせていた気がします。
小学生になると、グンと言語が増え、気持ちの言葉を出せるようなりました。すると、驚いたことにちょっかい行動はなくなりました。今は、「一緒に遊ぼう!」と言葉で伝え、思い通りにうまく遊べなくても、ちょっかいという手段は使わなくなりました。
この行動変化は成長し、「ちょっかい行動を出すと、もっと遊んでもらえない」、「嫌がられるだけ」というのが理解できるようになったからだと思います。
そして、一緒に遊んでもらえなかった場合どうしたら良いか、家庭でロールプレイイングのようなことをしながら何度も何度も伝えていたのですが、その内に断られたら「一人でも楽しめる遊びをすれば良い」と自分で言えるようになりました。
注意を得られる方法だと勘違い(誤学習)していたから。対処法とは!?
娘の場合は、手先や運動機能も不器用なので、同年代の子との集団生活では上手く出来ないことがたくさんありました。常に一歩遅れてしまうし、上手く遊べないしで、お友達から積極的に遊びに誘われることもありませんでした。
また、言葉の発達も遅れていたことで、お友達と言葉でコミュニケーションを取ることも出来ませんでした。
そうなると、なかなか自分に注目してもらえません。お友達から興味を持ってもらえないのです。
どうしたらお友達から注目してもらえるか、娘が学んでしまったのは、ちょっかい行動でした。ちょっかいを出せば、お友達が嫌がっていたとしても反応してくれるので、それが嬉しい、遊んでいるという感覚になってしまったんですよね。
だからこそ、ちょっかい行動が習慣化してしまいました。これはいわゆる誤学習と言われているものです。
対処法は!?どうした!?
この誤学習(ちょっかいを出す=お友達から注意をもらえる)は、なかなか解決しませんでした。なぜなら、ちょっかいを出すとお友達から反応をもらえるというご褒美がもらえるからです。
これを解決するには、正しい関り方で、ご褒美がもらえるという経験を積む必要があり、解決に時間がかかります。だからこそ、注意しても叱っても、なかなか解決しないということに繋がり、親も疲弊していきました。
実際に解決に向けてやっていたことは、お友達にちょっかいを出し、お友達が嫌がっている場面で先生に間に入ってもらい、「お友達は嫌がっている」と言葉で説明してもったり、✕を指で作ってもらったりして、「ちょっかいい行動をすると仲良く遊べない」ということを繰り返し伝えてもらいました。
逆に、うまく遊べる時があれば、褒めるという正しい注意を与えてもらいました。
でもこの理解が進むまでには長い道のりでしたね。複合的な成長も影響しているように思います。小学生になると、複合的な成長も相まって理解も増し、お友達にちょっかい行動をすることはなくなりました。
原因3:お友達が嫌がっていると理解できていないから。対処方とは!?
ちょっかい行動を続けてしまう原因に、相手のお友達の表情や気持ちを読み取れない、理解できないということも原因の1つでした。
園の先生からも、相手のお子さんが、「やめて!」と何度も繰り返しても「ずっと笑顔で、まるで楽しんで遊んでいるようにちょっかいを続けるんです。」「相手が嫌がっていると分かっていないようで、遊んでいると思っているかもしれません。」と報告を受けていました。
対処法は!?どうした!?
家庭では、お友達が「やめて!」と言ったら、やめると文字にして書いたり、✕と絵に書いたりして説明し続けていました。実際に私が「やめて!」と言っても楽しそうに続けてしまった時は、「やめては、やめる」といって場面を切り替えたりしていました。
逆にやめられた時はとても褒めていました。
また、本人が嫌がることを母である私が試しにして「やめて!」と言ってごらんと本人に言わせるようにしていました。いわゆる、ロールプレイイングですね。
その時に「今、嫌がっているね。嫌だね。」という言葉を代弁し、お友達が嫌がっていることの理解を促すようにしていました。
園では、お友達が嫌がっている場面で、先生に間に入ってもらい、園でも「お友達は嫌な気持ちだよ」などとお友達の感情を言葉で代弁してもらい、その場から離してもらうなど、楽しく遊ぶ場面ではないことを理解させるよう促してくださっていました。
これも理解面での成長が解決にあたりカギを握っていた気がします。成長と相まって、園で学ばせてもらったことで、小学生になると、お友達に「やめて」と言われたことはやめるようになり、ちょっかい行動もなくなりました。
相手の親御さん、先生への対応はどうした!?
ちょっかい行動で気になるのが、相手の親御さんや先生に対しての対応です。悪気はないとはいえ、相手にご迷惑をかけていると思うと申し訳ない気持ちで心が潰れそうになりますよね。
私が実際にしていたことは、先生に対しては、「何かありましたらいつでもお伝えください」と伝えていましたね。先生に報告していただかないと、子どもの課題も理解できないため、内心は複雑な気持ちでも、いつも感謝の気持ちを伝えていました。
また、ちょっかいを出してしまう相手のお子さんの保護者に対しては、先生からちょっかい行動の報告を受けると必ず、「相手の親御さんに直接謝罪した方が良いでしょうか。」と先生にお伺いをたてていました。
実際に母が見ていない園で起きたことで、保護者の方の人柄によって捉え方も違い(謝罪しないことで大ごとになってしまう場合もあるので)、先生が相手の親御さんに報告されるかどうかでも、こちら側がどうすべきか変わってくると思ったからです。
先生であれば、全員の保護者の方とコミュニケーションを取っているので、先生のご意見を聞いていました。
我が家の場合、ちょっかいを出すのは毎回同じお子さんで、娘が大好きで関わりたいと思うお子さんでした。となると、毎回保護者の方も一緒だったのですが、先生からは毎回「報告することでもないし、園の中で子ども同士解決しているので、謝罪などは必要ないです」と明確に教えてくださったことで、改まって謝罪はしませんでした。
ただ、保護者会などで相手のお子さんの保護者の方にお会いした際は、「いつもご迷惑をおかけしてしまってすみません。」と、ご挨拶はしていました。相手の親御さんから、クレームなどもありませんでしたが、こればかりは園の先生や保護者の方の人柄によるのかもしれません。
以上が、「発達障害、子どもがお友達にちょっかいを出す!子供のちょっかい行動の原因と対処法!」でした。
ちょっかいに限らず、お子さんの特性などの影響で自分の子が他害をしてしまう場合、叱ってもすぐに収まらず、親御さんの心がどんどんと追い詰められていきます。
相手のお子さんがいることですので、相手の親御さんのことも気になり、言葉に表せないくらいの辛さかと思います。でも、理解してくれる人が必ずいますし、必死なママさんの姿に応援してくれたり、協力してくれたりする方も出てきます。
まずは、ママやパパのの心が潰れないことが大切。身近に話を聞いてくれる方がいらっしゃらなければ、療育先の先生や、地域の保健師さんなどに話をしてみてくださいね。
とても大事なことは一人で抱えないこと。療育先の先生方、市の子育て相談窓口などをうまく利用して、ママさんの心も大事にしてくださいね。
私も陰ながら応援しています。