園児と先生

今回は、保育園や幼稚園での加配について足跡を残しておきたいと思います。

娘は発達に遅れがあり、就園前に発達障害と診断されていました。そんなこともあり、園生活はかなり大変で、うまく集団や活動についていけず、振り返ると母子それぞれにとって大変な時期でした。

そんな状況で考えるのが「加配」ですよね。

子どもが集団生活においてつまずきがあるのであれば、加配をお願いした方が良いのかと迷いますし、逆に園から「加配をつけたい」との申し出があれば、「それで良いのかだろうか」と葛藤を抱えます。

これは軽度発達障害や、グレーゾーンの方が多く抱える悩み。就学において普通級を視野に入れているからこそ、葛藤することになります。

私も実際、「加配」については、様々な葛藤を抱えていました。具体的には、

『加配がつくと、出来ることも出来なくなってしまうのでは!?』、『支援してもらうことに慣れてしまい、普通級の道が閉ざされるのでは!?』

というような不安がずっと頭の中をぐるぐるしていたんです。

結局、最初の園では娘のための「加配」はなし、そして2つ目の園では加配がつきました。そして、小学校ではというと、普通級で加配はつかず。低学年の頃は、担任の先生に支援をお願いすることも多くて申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、高学年になると加配どころか支援も一切不要でした。

ということで、こんな経験を踏まえて、加配について、デメリットはあるのかなどまとめていきます。

幼稚園や保育園での加配、デメリットはあるの!?

空にハテナ

先に結論から言うと、小学校で普通級を視野に入れている場合は、過剰な「加配」をつけることでデメリットになる可能性は少なからずあると思います。なぜなら、小学校普通級では、個別支援はほぼないと考えた方が良いから。

ただ、デメリットになるのはあくまでも過剰な加配です。(ここで言う過剰な加配とは、一人でできることも、全部手伝ってしまうという加配のこと。)

例えば、大人が楽したい、他の保護者の目を気にして加配をつける場合は、この過剰な加配になる可能性が高いです。園の活動で他の子や保護者の気持ちに支障をきたさないよう、他の子と一緒に活動はさせず、別部屋で1対1で過ごす。教える手間が大変だから身の回りのことは全部保育士さんがやってしまうなど。

こういった過剰な加配のデメリットを簡単に言ってしまうと、一人で出来るはずのことも出来ないままになる、子どもが混乱してしまうということ。加配が付くと、支援してもらいやすくなり、いつでもSOSを出すことができて、タイムリーに支援をしてもらえることが多くなります。

一方で1クラス30名くらいの小学校普通級を考えると、タイムリーに支援してもらえることはほとんどなく、気軽にSOSを出せる環境とはいえません。となると、急に出来ないだらけの環境に置かれることになります。このギャップに子供が混乱し、安心感が減って不安が増す可能性が考えられます。

ただ、これはあくまで、1対1の過剰な加配が卒園までずっとついていた場合、そして就学において「普通級」を考えた場合なんですよね。

逆に、加配の状況によっては、加配がメリットになる可能性、そしてデメリットを最小限に抑えられる可能性があります。例えば、年少、年中までは加配が付いたけれど、年長から少しずつ加配を外したというような場合です。

いずれにせよ、加配について検討するときに忘れてはいけないとても大事なことがあります。それは、未来ではなく、「今現在はどうなのか。」ということです。

未来のデメリットを取るのか、今のメリットを取るのか。

雲の多い空

就学において普通級を視野に入れるのであれば、1対1の加配がずっとついているのは確かにデメリットがあるように思いますが、今現在が園児ということであれば、それは未来を想像した上でのデメリットなんですよね。

ここで考える必要があるのが、そもそも加配を検討するということは「今現在、集団生活においてつまずきがある」ということ。例えば、着がえがスムーズにいかないとか、製作活動に参加できないとか、お子さんによって色々なつまずきがあると思います。

そんな今現在のつまずきには、「加配」をつけることによって必ずメリットがあります。例えば、子どもが安心して園生活を送れる(自己肯定感が失われずに済むなど、メンタル部分のケアもありますよね)とか、つまずきが解消される、個別に支援してもらうことでいずれ一人で出来るようになるというようなことが考えられます。

「今」が潰れてしまえば、想像する未来はそもそもなくなります。そういう意味でも、経験上、加配については「今」を視野に入れて検討することが大事だと感じます。

実際、加配はどうした!?未来のデメリット?それとも今のデメリット!?

四葉のクローバー

ちなみに我が家の場合ですが、最初はずっと「未来のデメリット」のリスクを感じて、加配には消極的だったんです。就学において普通級の道を考えると、なるべく個別支援はなく園生活を送れるようになってほしい。そんな思いが強かったのです。

そして、たまたま最初に通っていた園側からも娘一人のための加配は物理的に難しいと言われていたため、年少・年中は特別に加配はなく過ごすことになりました。娘のその当時は、難しいことに晒(さら)され続け、その結果、園では不適応な行動が多く報告されるようになり、母子ともに大変な時期を過ごしました。

娘としては、出来ないことは諦めるか、癇癪など不適切な行動で表現するかのどちらかしかその状況を乗り切る方法がなかったのだと思います。

その後、転園し、転園先の園では「加配をつけます」と事後報告のような形で急に娘一人に対して加配の先生が付くようになったんです。「これで良いのだろうか・・」と母として葛藤もありましたが、結果的に、娘の場合は「今」のつまずきを解消することで、「心」を取り戻し、未来が開けたという結果になりました

つまり、今のメリットを取ったこと(加配をつけたこと)で、未来のデメリットを防いだことになったんです。次に詳しくまとめてみようと思います。

加配をつけて実際にデメリットはあった!?

幼稚園のイメージ

詳しく状況を説明すると、最初の幼稚園は、1クラス2人担任制だったので、加配はなく、必要な時に先生が入ってサポートするという状況でした。次に転園した幼稚園では、少人数で1人担任制、色々な状況が重なったこともあり、園側から必要な時に娘一人に対して1対1の加配を付けますという報告があり、年長の一時期に加配がついていました。

これって結構珍しいケースなんですよね。年少・年中で加配がついていたけど、年長では少しずつ加配が減ったというようなケースはかなりあると思うのですが我が家は逆。途中で転園したというのが大きな原因です。

そして実際に加配の先生がついていたことでデメリットがあったかというと、結果論でいえばは、デメリットは全くなし。逆にメリットばかりとなりました。

もともと小学校では普通級も視野に入れていたので、加配についてはデメリットを感じて複雑な気持ちがあったんです。でも、蓋を開けたら良いことばかり。どんなメリットがあったかというと下記の通り。

加配のメリット!
  • 個別対応してもらえることで出来ることや体験できることが増える
  • 自信がつく
  • 子供の安心安全の確保がしやすい
  • 気付かなかった子供の得意不得意、個性が分かる可能性がある

娘は園活動で思うように出来ないことが多く、不安がとても強い子だったので、いつでもSOSを出せるという環境に安心感がぐっと増したのか、諦めるのではなくチャレンジする(体験する)ことが増え、出来ることが増えました。

そうすると自信もつくので、さらにチャレンジするという好循環になっていたようです。

また、1対1で先生が丁寧に見て下さるので、気付かなかった娘の好きな事、得意なことなど、たくさんの情報を知ることが出来ました。

さらに、加配がついたことで徐々に穏やかに安心して園生活を送れるようになり、途中から加配なしでも大丈夫という園側の判断で加配なしに戻ることになりました。

このように我が家の例を見ると、加配といっても時期や支援の形など色々な加配があることが分かります。一時的かもしれないし、在園中ずっとかもしれません。でも、必要な時期だけ一時的に加配がつくのは、デメリットはあまりなく、メリットが多い気がします。

そして、在園中ずっと加配がついたとしても、過剰な加配出ない限りは子どもの今にはメリットが大きく、それが実は未来のデメリットを防いでる可能性があるのです。

究極に言えば、出来ることは「今」にアプローチすることなんですよね。

園から加配をつけたいと言われたらどうする!?確認しておきたいこと!

幼稚園バス

我が家も親発信ではなく、園から、『加配をつける』という報告があって、加配がつきました。園から、「加配を付ける」というような申し入れが親側にあった場合は、普段の様子を見ていて園側が必要と判断したことなので、個人的には断らずに了承した方が良いと感じています。

なぜなら、園側には、加配をつけた方がこの子は伸びるとか、子供の安心安全が確保できるという何らかの加配をつける理由があるはずだからです。

そして、その理由は、我が子の特性や今後の課題など、成長においてヒントになることが多いので、園から加配の申し入れがあった場合は、その理由を聞いておくことをオススメします。

また、加配といっても、園や先生によって色々なやり方があります。一人でできることを増やすための加配なのか、出来ないことは回避させるような加配なのかによって、支援の仕方や経験が全く違ってきます。

一人でできることを増やすための加配は、他のお子さんと同じ活動に参加する(体験する)ことが前提ですが、出来ないことを回避させるための加配は参加しない(経験しない)ことが前提になります。

どちらが良いのか、親御さんの育児方針にもよりますが、社会的な適応や自立を目標とする我が家としては、どんな形であろうと一人でできることをするための加配が希望でした。

なので、加配の打診があれば、どういった加配になるのか、加配の方針についてさらりと聞いてみましょう。そして、可能な範囲で親の希望を園側にお伝えしておくと良いと思います。

ちなみに、一時期加配がついていた娘ですが、その後は、小学校の普通級に在籍し、時に担任の先生にサポートいただきながら、楽しく通学していました。

子供の先を思うからこそ、未来を案じ、今を迷うことは往々にしてあると思います。でも、未来は今の積み重ね、どこかでそんな言葉を聞いた気がします。今を大事にすることで、未来が変わってくる、我が家の場合は加配を通してそんな体験をした気がします。

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