発達障害やその可能性のある子の就学(公立小学校)の場合、就学前に決める必要があるのが子供の在籍枠を普通級 or 通級 or 支援級、どこにするのかということ。この時期が近づくと、親としては不安でいっぱいになりますよね。私も色々な選択肢の中で迷っていたこともあり、頭を悩ませていました。
そんなこともあり、それぞれのメリット・デメリットなど色々と情報を集めて判断したことから、それらの情報について共有しておこうと思います。
なお、どのクラスにおいても言えることは、メリットの場合は一般論として理解できるもので、デメリットはあくまで可能性であり該当しない場合もあります。それでは見ていきましょう。
普通級のメリットとデメリット
普通級のメリット
- 健常と言われるお子さんの集団の中で刺激を受けながら生活が出来る
これは誰もが想像できるメリットですよね。刺激は成長へと繋げることができます。
普通級のデメリット
- 子どもが劣等感を感じやすい
- ずっと頑張らなくてはいけない
- 親が同年代の子と比べたり、ストレスを抱えがち
こればかりは、お子さんにもよりますが、我が娘の場合は上記のデメリットはまさに該当していました。
子どもが劣等感を感じやすい。娘の場合は、「他の子と違って自分はうまく出来ないことが多い。いくら頑張っても他の子のように出来ない」ということに気づくようになっていました。
そうなるとやっかいなのが劣等感。うまく出来ない劣等感で心が乱されストレスとなり、パニックになったり、自信を失ってやる気を失くしたり、回避したりなどの行動がすでに幼稚園出ていました。
次に、ずっと頑張らなくてはいけない。娘の場合は健常といわれるお子さんよりも成長が遅めで出来ないことがとにかく多かったんです。他の子が70%の頑張りで出来ることでも、娘の場合は120%の力を出して頑張っても出来ないという感覚でした。
なので、年齢相応の活動が求められる小学校普通級においては、娘はずっと頑張り続ける必要があり、それでも結果はついていこないという苦行のような現実を目の当りにすることは目に見えていました。
親が同年代の子と比べたり、ストレスを抱えがち。
これは我が家のケースですが、健常といわれるお子さんのグループに入ると、彼女の成長の遅さや特性が目に見えて分かりました。年齢が増すごとにその差が明らかになってきていたので、本格的に勉強がスタートする小学校という場で、その差は歴然となるのは明らかだったんですよね。
そうなった時に母として自分はどう感じるのか。その差に焦り、なんとかついていけるようにと子どもを追い詰めたりしないだろうかという不安がありました。
その後実際に小学校に上がったわけですが、学年が上がるごとにやはり差は明らかになり、そういった場面に直面した時は心が動揺することもありましたね。
ただ、アスペルガーなど、お勉強面で特に困難がないお子さんの場合は該当しない可能性大なので、この心配はないかもしれません。
通級のメリット、デメリットとは!?
通級のメリット
- 通常のクラスに在籍し、健常と言われるお子さんの刺激を受けつつも、個別的な支援が定期的に受けられる
通級は、良いとこどりという感覚があります。
通級のデメリット
- 周りのお友達に通級に通っていることが分かってしまう
- 地域によっては順番待ちでなかなか入れない
- 学区外の通級に通う場合、早退が必要かも!?
- 学区外の通級に通う場合、親の送り迎えが必要
- 担当教員によって、内容に差がある
地域によっては、通級教室がないところもあるようですが、通級とは、普通級に在籍しながら定期的に(週1日など)支援教育を受けられる制度のことですよね。学区の小学校に通級の設置がない場合は、学区外にある通級教室に通うことになります。
通級による指導(つうきゅうによるしどう)とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級に在籍していながら個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度である。
グレーのお子さんや知的な遅れがないお子さんが利用されていることも多く、「とても良い」という口コミがある一方で、「うーん」と頭を抱えるクチコミも聞きます。どういうことか、デメリットを見ていきましょう。
周りのお友達に通級に通っていることが分かってしまう
このデメリット、ママさん方が心配されていてよく耳にします。低学年の内はまだ良しとしても、成長していくに連れて、周りの同級生が通級に通っていることに気付き、子供が差別化されてしまう可能性があるということ。子供の関係に影響があるのではないかと皆さん不安があります。
ただ、担任の先生によって、うまく同級生に伝え、周りの子たちが理解し、応援してくれるケースもあると聞くことも。ただ、どうなるかはその時の担任の先生、周りの子たちによっても差が出ます。
なので、よく聞くのは「1年生から通級に入れたい」というママさん方の声。切実な思いです。なぜなら、途中から通うよりも子どもにとって精神的な負担が少ないからなんですよね。
当事者の子供自身も、大きくなって理解力が進むと、自分だけが通級に通う事や、差別化される可能性を感じ取り、行きたがらないケースがあるからだそうです。
地域によっては順番待ちでなかなか入れない
これも実際に起きていること。いくら親が通級教室への在籍を希望しても、知的な遅れがないことや、軽度発達障害であることから、通級に通う条件に合致せず通えない、順番が回ってこないという話しもよく耳にします。
なので、通級も視野に入れている場合は、地域の状況がどうなのか探ってみること、オススメします。
学区外の通級に通う場合、早退が必要かも!?
学区外の通級に通う場合、通っている学区内の小学校から通級のある小学校へ移動する必要があります。そうなると、下校してからでは通級の開始時間に間に合わないお子さんもいらっしゃるんですよね。その場合、通級に通うためには学区の学校を早退する必要性が出てきます。
学区外の通級に通う場合、親の送り迎えが必要
これも地域によって異なるかもしれませんが、学区外の通級に通う場合は親の送り迎えが基本。そうなると、親の負担はおのずと増えることになります。
でもその分、先生方に直接お会い出来ることで、様々な情報を共有出来たり、相談できたりするので、メリットも大きいように感じます。
担当教員によって、内容に差がある
これは、普通級でも支援級でも一緒。通級も担当教員によって、内容に差が出るので、「あそこの通級教室の先生はすごく良い」、「ちょっと合わない」などの話しが聞こえてきます。どこの通級教室に通うかは、教育委員会が決めるため、基本は選べません。
支援級のメリット、デメリットとは!?
支援級のメリット
- 学校教育において、子どもに沿った個別的な支援が受けられる
これは、言わずとも知れた支援級のメリットです。
支援級のデメリットとは!?
- 担当教員によって、雰囲気や対応などがガラリと変わる!
- 子どもが支援に慣れてしまう可能性がある!
- 学区内の学校に支援級があるとは限らない!
担当教員によって、雰囲気や対応などがガラリと変わる!
支援級においては、担当教員や地域、学校によってかなりの差があるというのをたくさん耳にします。こればかりは運としか言いようがないのでしょうか・・。
中には、「ベテランの先生がまるで療育のように指導してくださる」というような手厚い支援級の話を聞く一方で、「1日中遊びをしているだけ」と、親御さんたちが困惑している支援級のお話も耳にします。
また、良い先生に当たったとしても「異動になってしまった。」ということが可能性もあり。
でもこのデメリットは、大まかに捉えると普通級でも通級でも感じるデメリット。ただ、普通級で1日中遊びというのはありえませんよね。そう考えると、支援級の場合は担当教員の裁量が大きく、同じ支援級でも差が出やすいのだと考えられます。
子どもが支援に慣れてしまう可能性がある
支援級に在籍するということはおのずと、「支援を必要としている」ことが前提。なので、子どもにとっては過ごしやすくなるのですが、逆に子どもが支援されることに甘んじてしまって、自分でチャレンジする機会が少なくなる可能性があります。
先生によっては、子供の発達段階に応じてどうしても出来ないことは支援しながら、自分で出来ることは自分でやるように促し、自立を目指すというような対応をしてくださるようですが、そういった先生ばかりではないのが現実。
無条件に支援を受けるような流れに慣れると、子ども自らSOSや助けを発信することもせずに、ただ支援を待っているというような受け身になってしまうリスクがあります。
学区内の学校に支援級があるとは限らない
小学校によっては支援級がない学校もあるため、その場合は支援級がある学外の小学校に通う必要があります。学区外の学校に行く場合、親の送り迎えが必要になる可能性大。
支援級も検討しているようなら、学区内の学校に支援級があるかどうか、一度確認してみることオススメします。
以上が、『普通級、通級、支援級のメリットとデメリット』でした。
我が家の場合、療育の先生からは「普通級」を勧められ、教育委員会からは「支援級」(当時学区内に通級がなかったため)を勧められるという困った状況に・・。
結局はインクルーシブ教育が行われている普通級の学校に入学するという第3の案に落ち着きました。
これまでの経験や得た情報が少しでもストレス軽減に繋がり、励みになれば嬉しく思います。応援しています。