右肩上がりのグラフ

娘が2歳から年少(4歳)くらいまでは、『この子は会話できるようになるのか・・』、『もしかしたら、ずっと会話出来ないかもしれない』といった不安や思いを抱えていました。

ということで、今回は娘の言語発達について、成長してどうなったか足跡をまとめておこうと思います。

これまでの娘の子育てを振り返ると、娘の行動等は言語発達の状況がかなり影響を受けてきたことが分かります。

※成長のタイミングで随時更新していくため、長くなったり、変更したりします。

発達障害、言語の遅れ!成長するとどうなる!?

子どもの会話

結論からいうと、娘は年齢を重ねるごとに言語面でも成長していきました。会話もできるようになり、日常生活においてはさほど問題なく、周りとコミュニケーションができています。

ただ、娘は途中でグレーゾーンから軽度知的障害の枠組みに該当するようになったため、健常のお子さんに比べると理解力や言語の使い方に困難さがあります。

そんな娘の言語発達における、成長の足跡を残しておきましょう!

娘の言語発達の足跡!

子どもの会話

娘は、3歳半の時に自閉症スペクトラム(高機能自閉症)という診断を受けました。

発達障害を本気で疑ったきっかけは、まさに『言語の遅れでした。1歳半検診では、単語が出ていたので引っかからなかったんですが、そこから会話にはなかなか発展しなかったんです。

もはや幼稚園入園の頃でも、まともな会話が成り立っていませんでした。

具体的にどんな様子だったか、困難があったか、時期別に記載すると次の通りでした。いくつかのキーワードについては、後に詳しく記載しています。

言語の成長

(1歳半検診の頃)

  • 単語が出ていた

(2歳の頃~入園まで)

(年少の頃)

(年中の頃)

(年長)

(小学校低~中学年)

(小学校高学年)

  • 文章問題の問題を理解するのが難しい
  • 友達と会話のキャッチボールが多少できている様子

(10代~)

  • 言葉の理解力に難あり(冗談が通じない)
  • 友達との会話に難あり(その場に合った言語の使い方ができない)
単語のみが増えていく

困り顔のクマ

年少の頃くらいまでは、単語ばかりが増えていく印象で、話せるようになるのか不安ばかりでした。喋らないので、入園してからも園で何が起こっているのかほとんど分からず。

ただ、年中ぐらいからは遅いながらも言葉が繋がるようになって、ぐっと会話できるようになってきました。

さすがに、健常のお子さんのようにスラスラ発展してくわけではありませんが、今ではその日あったことなどを彼女のペースで話をしてくれています。

全く会話しようとしない

 

スピーカー

2語文が少し出ても、単語の方が楽なようで単語で済ませようとする傾向が顕著に出ていました。

本人が欲しいものも、単語のみで要求することが多かったです。例えば、ティッシュが欲しければ、『ティッシュ』の単語のみで要求していました。

親としては、単語のみでもティッシュが欲しことはすぐに分かるのですが、なるべくすぐに取らずに、「ティッシュ取って」という文につなげられるように、オウム返しでも良いので「ティッシュ取って」と私が言い、本人が発言するまで取らないように心がけていました。

話しかけられても、まるで無視しているかのよう

大きな集団で注意が逸れてしまうと、目の前で話しかけられてもまったく耳に入っていない様子でした。まるで無視しているかのようで、焦りがありましたね。

体を触るなどして一回注意を向けさせて、私と目を合わせるようにしてから話をすれば、話が耳に入る様子でした。

年中の頃から、人に対しての関心が大分増えて、話かけられたら返せることも増え、逆に他のお母さんに話しかける姿も見られるようになりました。

10代になった今でも大集団は苦手で注意散漫になりますが、話かければ問題なく振り向くことが出来ています。以前は、外で私が話しかけても、体に触れないとなかなか注意を向けてくれなかったので、大きな成長です。

会話が発展していかない、分からなければオウム返し

会話が発展してかない感覚は、今でも感じますが、オウム返しは年中頃からほとんどなくなりました。

それまでは、質問しても分からない場合は、質問をそのまま繰り返す、まさにオウム返しが多かったです。

パターン化した言い方や言い回しばかり

同じような言い回しや言い方を使っていますね。言い回しのレパートリーが年齢と共に少しずつ増えていきます。

こちらも健常のお子さんまではいかないまでも、普通の生活をするには問題ない程度です。

同じことを何度も何度も繰り返し聞く

オウム返しが終わるくらいから始まったのがこの繰り返し聞く行動。この頃はすごく大変だったと記憶しています。

看板をみて『あれ何て書いてあるの?』と、同じ看板を何十回、合計したら百はいくかもというほど、同じ質問を繰り返しいましたが、今ではありません。

とにかく同じ質問を繰り返すループでした。これが他人に対しても行われていました。

例えば、娘が知らないお友達に「お名前は?」と聞いたとします。すると相手のお子さんが「〇〇」と答えると、また「お名前は?」と同じ質問をその子に笑顔で無限ループで聞くんですよね。

娘にとってはこの方法がコミュニケーションをとる手段で、お友達と関われている感覚があるのか笑顔で喜んでいるのですが、一方的すぎてその子や親御さんは困惑。

最初や、相手のお子さんや親御さんも笑顔で対応してくれるのですが、繰り返すうちに「おや?」と何か不穏できまずい雰囲気に変わっていき、とにかくしんどかったです。

娘は楽しんでしまっているためその場から話すのも大変、「もうさっき言ったよ!」というお友達の声も届くはずもなく繰り返す姿に、「ああ、やっぱり障害があるんだな」と改めて実感しましたね。

そして、成長していくと、この名前を他人に何度も聞くということはなくなりましたが、今度は不安からか数回繰り返し同じ質問をしたり、同じことを言ったりすることがあります。

「もう何回も言っているよ!」と指摘したり、同じ質問を娘にし返して娘が知っている答えを自分で答えてもらったり、何度も同じ質問をすると相手は嫌な気持ちになることを伝えたりして、成長するにつれて回数が許容範囲内程度に減ってきています。

でも、幼児の頃の他人を巻きこんで、質問を繰り返す時が一番大変でした。

問いかけ方や言葉が変わると、同じ質問でも理解が難しい

例えば、『住んでいるところは?』と聞くと、『○○(地名)』を言えるようになったのですが、それを『おうちはどこにある?』、とか『住所は?』と言い方を変えるともうわからなくなることがありした。

他にも、顔を洗った?なら理解できるけれど、洗顔した?だと分からないとか。

こういったことがとにかく多く、健常の子は自然に習得していくような気がするんですが、娘は10代になってもこの傾向が強い印象です。

曖昧な言葉や会話の理解が難しい・言語をそのまま正直に受け取ってしまう

娘が年長の頃に『挨拶は大事』なんて、外で挨拶をすることを教えていたら、外に居る人全員に挨拶をしようとしている娘がいました。

大分遠く先の、前方に居る人(後ろ姿しか見えない人)にも挨拶をしようとするんですよね。

なので、『後ろを向いている人には、挨拶しなくてもいいんだよ!』と伝えると、とても不安そうに、『誰に挨拶をして良いのか、誰に挨拶しちゃいけないのか』を聞かれたことがあります。

彼女にとって、曖昧な指示は理解が難しいんだなと感じた瞬間でしたね。他にも、『あとちょっと』というと、いつまでなのか明確に知りたがりました。

でも時計が読めるようになったことで、何時何分までにと伝えれば、きっちりその時間を守ろうとします。逆に少しでも過ぎると不安そうな様子がありました。

>>発達障害、時計が読めるようになった方法!教え方とは!?役に立ったツール!

この傾向は実は10代になってもずっとありますね。

経験と共に多少曖昧な感覚が分かってくることもありますが、曖昧な言葉ってたくさんあって、成長と共に経験を積んで、曖昧さの範囲や明確さを自分で理解しようと奮闘する姿があります。

人間関係においては、言語の使い方を間違えて、お友達に指摘されたり、お友達に言われたことの捉え方が極端だったりと、ジョークが分からずそのままの言葉を受け取ってしまったりと、友達関係で苦戦している困難さがあります。

会話は続かない、言語のパターンが少なく友達とのコミュニケーションは難あり

小学校低学年の頃は会話は言語のパターンが少なく、そのパターンのみで会話しようとする傾向があり、会話は発展していきませんでした。なので、友達関係を深めることは出来ずでした。

例えば、『今日ね、○ちゃんが〇あそびをしていたんだよ』と報告があって、『そうなんだ!どこでそのあそびをしてたの?』というような質問を投げ返すと『・・・』無言になる。そして、『あのね・・・』と全然違う話に飛んでしまうことがよくありました。

小学校中学年、高学年となるにつれて、質問にも答えられるようになり、質問が分からなければ「分からないのでもう1度言ってほしい」と自分でSOSを出せるようになりました。

小学校高学年

 

この頃から、学力面でも言語面で困難さが顕著に出てきました。文章問題の読解に難しさが出てきました。

なので、問題を理解できないので答えは当然ながら分かなかったり、見当違いの答えを書いたりすることが一気に増えました。

一方、会話面では一方通行というよりも相手とキャッチボールをすることが出来るようになってきました。ただ、会話を発展させていくことはやはり難しい様子でした。

10代~

健常のお子さんとの差がグンと広がってるのが明らかになりました。

学力面ではもちろんのこと、言葉の理解力に困難さが顕著に出てきました。

例えば、「おまえ」と相手に言ったらいけないと教えていたとすると、冗談でお友達が他のお友達に「おまえさ~」と言ったことに反応し、「いけないことを言っている!」という認識で捉えてしまいます。

つまり、冗談が通じないんですよね。その時の状況に応じた理解が難しい様子が見られました。間違った言葉の使い方をしてお友達を怒らせてしまうこともあったことで、本人もうまく言葉を使えていない認識があり、こういう時はどういう言葉を使えば良いのかよく相談がありました。

また、お友達との会話の中でも的外れなことを言ってしまって、友達との関係性がうまくいかなかったり、誤解されてしまったり、思春期ならではの言語面での困難さがありました。

以上が、娘の言語発達の足跡でした。

会話がある程度できるようになるまでがとにかく大変でした。特に大変だったのは年中、年長の頃。

気持ちを言葉で表すことがとても難しいことから、ストレスが溜まって、癇癪や奇声、不適切な行動でその胸の内を訴えかけていることがありました。

でも癇癪や不適切な行動は、彼女が気持ちを言葉で出せるようになるにつれて減り、改めて言語発達が行動に影響を与えていたのだと感じます。

今でも言語の課題はありますが、日常生活を送る分には、さほど問題はありません。買い物も一人で行きますし、美容室も一人で行き、コミュニケーションを取ってカットやパーマ等の対応をしてもらい、帰ってきます。

ただ、今後大人として何かの契約(例えば保険など)をする必要がある場合は支援は必須な状況です。

言語の遅れ、子どもが小さいころはすごく気になり、頭を抱えましたが、そこで成長がストップしたり、同じ悩みで留まったままということはありませんでした。

少しずつ、子どもも私も成長し、時が流れていきます。

我が家の経験が少しでも、皆さまのお役に立てることができたら嬉しく思います。

それでは、また!

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