我が子に発達障害を疑った時から、「早期療育」の重要さを説いている情報をたくさん目にしてきました。実際に我が家も、早期療育が重要という情報を目にし、発達障害を疑った2歳台から療育に通い出しました。

その頃は、娘の障害の可能性を疑いつつも受け入れられず、療育参加は娘の障害を認めるようで受け入れ難く抵抗があったんですが、「たとえ健常だったとしても、療育がデメリットになることはない。」という言葉に背中を押され、取り急ぎ療育を開始。

でも、2歳~小学生までは、なぜ早期療育がそんなに重要なのか、早期に療育を開始するとどんなメリットがあるのか、正直に言えばよく分からないまま続けていました。

でも、娘が10代になった頃ようやく早期療育の重要性やメリットが分かるようになりました。ということで、早期療育のメリットについて我が家の例ですが足跡を残しておこうと思います。

発達障害、早期療育の重要性・メリットとは!?子どもが10代になってようやくわかった!

葉と光

結論からいうと、我が家の場合は早期療育の重要性は10代以降に実感し、以下のメリットがありました。

早期療育、子どものメリット!

  • 自己肯定感が養われた
  • 社会に適応できる言動が身に付いた(社会生活で不適切と捉えられる問題行動が減った)
  • 園や学校とは別の居場所があった

まずは子どものメリットですが、知らぬうちに自己肯定感が養われていました。幼稚園・小学校共に普通級に属していたのですが、やはりいくら時間をかけて努力しても健常の子よりも出来ないことが数えきれないほどあったんですよね。

どんなに時間をかけて頑張っても出来ず、努力が報われない状態は想像するだけで辛い・・。

「他の子は出来るのになぜ自分は出来ないのか。」娘は、小学校中学年までにこの壁に直面し、うまくできないことにストレスを積もらせ、授業で不適切な行動が出たり活動に参加できなかったりすることがありました。

この状況が続けば、自己肯定感は下がる一方だったはずなんですが、療育先にいけば、スモールステップで取り組むことができて褒めてもらえるんですよね。なので、療育に通うことで自己肯定感が失われずに済み、バランスよく自己肯定感が養われて今があります。

10代前半の頃は、「人より出来ないことも多いけど、私なりに出来ることもある」こんな風に自ら話していました。

次のメリットは、社会に適応できる言動が身に付いた(社会生活で不適切と捉えられる問題行動が減った)ということ。このメリットは私の中で、療育の大きな副産物だと感じています。我が家の療育の目的は、いずれ社会に適応し自立するため。

幼いころ問題行動が出ていた時は、場面を変える方法やクールダウンする方法を根気強く教えてもらいトライ&エラーを繰り返し、その都度子どもにとってフィットする方法を療育で学ばせていただいてきました。

言語に関しても、発言する言葉の意味が全く分かっていないことが療育で判明し、こういう場面ではこういった言葉を選んで使うとか、こういうことを言ったら相手は傷つくとか、ソーシャルスキルを学ばせていただきました。

療育を思い返せば大変だった記憶が多いのですが、子どもが10代になったとある瞬間に、「おや、なんだか社会生活において適切な言動が増えたな。」、「なんとなく、周りに迷惑をかけることが少なくなり、適応出来ている気がする。」と感じたんです。

今でも、その頃の療育が活きており、イライラした時は「ちょっとクールダウンしてきます。」と言って自分で対応するんですよね。この効果を実感できるようになったのは10代前半から。それまでは、問題の言動への対応に追われていた気がします。

最後のメリットは、園や学校とは別の居場所があったこと。園や学校は楽しい時もありますが、子どもにとって辛い時期もあります。そんな辛い時期でも、学校以外に居場所があるといことが、娘の心の支えになっていました。

実際、学校が辛かった時、娘から「〇〇(療育先)があるからいいや。大丈夫。」という言葉を何度も聞きました。娘が通っていた療育先は頑張る必要のある療育先ではなく、自由に過ごしたり好きなように制作したりするような療育先だったためそう思えたようです。

早期療育、母が感じたメリット!

  • 療育先が心の支えとなった
  • 社会に適応できるような言動を身に着けられるよう、関わり方を学べた
  • 子どもへの障害告知がスムーズにいった

我が家の場合、最初はパパも実両親も娘の障害を受け入れられず孤軍奮闘状態で療育が始まりました。なので、育児の悩みを話せる相手がおらず、私の心の支えになったのが療育先の先生方でした。

また、集団療育では、同じような悩みを抱えているママさん方と出会えます。その場で話すだけでも、共に悩む仲間がいることが分かるんですよね。

私にとって療育先はいつのまにか唯一弱さや悩みを話せる場所になっていて、今でもあの時に療育に通っていなかったら、潰れていたと思います。

そして次は、療育に通うことで子どもの問題行動を減らし、社会に適応できるような言動を学べたこと。やはり母子だけの空間にいると、関わり方に偏りが出来てしまうんですよね。

例えば、問題行動を減らす方法として、実は色々な関わり方ややり方があるのに叱るしか出来ない自分がいました。そんな時に療育に行くと、叱る以外にも色々な関わり方や方法があるのだと知るんです。視野が広がるんですよね。

そうすると療育で学んだ方法を自宅でも取り入れたり、関わり方を真似したりできます。その過程は、決して一筋縄にはいきませんが、支えて下さる先生方と伴奏できるので、なんとか乗り越えられていました。

そして10代になり、ふと「社会に適応できる言動が増えたな。」と感じています。

療育に通ったことでたくさんのことを学ばせていただきました。

最後のメリットは、子どもへの障害告知がスムーズにいったこと。子どもが大きくなってくると、他の子が通わないところに通っていることに子ども自身が気づき「ここは(療育先)は塾なの?」などと、色々な質問をしてくるようになりました。

その時々で、迷いながらも、人よりも難しいことや苦手なことがあること、そんな苦手なところを助けてもらえるところだなどと伝え、本人は楽しく通いながら障害の告知に向けて一歩一歩進んでいけました。

これらが、我が家がリアルに感じる早期療育のメリットです。

このメリットは人によって違うかもしれませんが、我が家の場合は早期療育の効果を実感できたのは10代になってから。療育開始が2歳台と考えると、かなり後なんですよね。

その間に、療育では娘の課題に直面しなければならなかったり、なんとなく自分と合わない先生もいたりで、心が疲れ、「療育を辞めたい」と思い、実際に合わない療育を辞めましたが、心地よいと思える放課後等デイサービスやソーシャルスキルのクラスに細々と通いました。

振り返って思うことですが、早期に療育を初めて良かったと思います。

早期療育のデメリットってあった!?

はてな

メリットもあれば、デメリットもあるのが世の常。もちろん、子どもにとっても親にとってもデメリットを感じる側面はありました。

まずは子どもについては、療育先によっては早期療育が子どもにとってデメリットになると感じていました。

今は選べるほどたくさんの療育先があると思います。才能開発をするような勉強系の療育、軍隊のような規律を重んじる療育、自由に遊べる療育など、様々な療育先が見つかります。

我が家も関東に引っ越してからは、どの療育先を利用するか迷い、親が良いと思う勉強系の療育先を選んだのですが、娘の状態が徐々に悪化。子ども自身が行きたがらなくなりました。

その療育の内容が子どもに合わなかったんですよね。こういうミスマッチの場合は早期に療育を開始したとしても、続けるほど悪化していくのでデメリットになります。

親が良いと思っても、子どもにとってはメリットにならない療育先があるということ。

通ってみないと分からないので、トライ&エラーしかないのですが、子どもが行きたがらなくなったり、子どもの状態が悪化したりすれば、この療育先で良いのか検討の余地があると思います。

そして、早期療育の親にとってのデメリットとしては、子どもの問題に直面しなければならないストレスを抱えること。療育に通うということは、子どもの障害や何らかの特性を持っていることを認めることになりますよね。

つまり、子どもの問題を見て見ぬふりは出来ないということ。子どもにとっては、親が子どもの障害を認め受け入れる方向に進むのは良いことだと思いますが、私のように受け入れるのに時間がかかる方もいるはず。

私のように子どもの特性を受け入れる途中で療育に通う場合は、子どもの障害や特性からくる問題に直面することになり、ストレスがかかります。

特に園児の頃は特に、親同伴の療育が多く、子どもの問題行動を目の当りにします。

見て見ぬふり(療育に通わない選択)をすればすごく楽なんですが、通わせた方が良いという思いがあり心の中で葛藤するんですよね。

早期療育をすることで、少なからず親にもストレスがかかる、これがデメリットです。でも、早期療育に通わないデメリットを考えたら、早期療育のデメリットの方がまだ良いという考えもあります。

早期から療育に通わなかったらどうなる!?療育に通わないことで起こる問題とは!?

道

我が家は早期療育をした派なので、しなかったらどうなったかは分からないのですが、通った小児神経科の医師と療育を受けてこなかったお子さんのお母様から聞いた話を共有しておきます。

ちなみに、私としては、早くても遅くても気づいた時に始めれば改善の可能性はあると信じている派です。人間、いつ始めても遅くはない、そう信じたい自分がいます。

それに結局は人それぞれ。決して、絶対早期療育をした方が良い断言をしているわけではありません。

話しを戻して・・結論からいうと、年齢が上がるほど、長年を通して習得した言動のパターンを変えたり修正したりするのは難しいと皆さまおっしゃいます。

そして大人になってからの場合は、言動パターンの修正が相当難しいと聞きました。これは小児神経科医の医師から直接聞いたこと。

伺った話のお子さんのご両親は子どもの障害をご存知だったそうなんですが、お子さんが普通級でなんとか過ごせたことから、療育には通わない選択をされました。

そんなお子さんが社会に出てから、仕事がうまく出来ずにつまずかれてしまったとのこと。そうなってから、お子さんと共にその医師のところに診察に来られたのですが、まずお子さん(大人)が「何でこんなところに連れてきたんだ!」と怒り心頭で、診察することも出来なかったとのこと。

お子さん本人が、障害や特性があることを受け入れられず、そもそもこれからどうすべきかというスタート地点にも立てない状態だったそうです。

一緒に来られたお母様も頭を抱えていたそうですが、すでに大人のお子さんには意思があり、親の言うことを素直に聞ける年でもなく、為す術がない(なすすべがない)状態。

そんな話を通して医師が、早期に療育に通ったり、早めに障害を告知したりするのが大事だというお話がありました。

他には、ずっと普通級で過ごし、療育に通ってこなかった女の子のお子さんが、年齢が上がるにつれて女子同士の関わりでつまずくようになったのだそう。悪気なく、相手が傷つく言動をストレートにしまうんですよね。それで、トラブルになるとのこと。

でも、障害の可能性に気づいた時には思春期。10年以上もの間を経て身に着けた言動のパターンの修正は難しく、従順に親の言うことを聞く年齢でもなく、親御さんが悩まれておりました。

これらはあくまで聞いた話ですが、こういう例もあるということを共有しておきます。

これらの話だと、先に悩むのか、後に悩むのかの二択のような話 に思えてしまいますが、結局のところ子どものことはずっと悩むというのが本音です。

悩むの種類や深さは違いますが、どの年代になっても、悩むところが出てきます。

これらが、我が家の体験を通して言える早期療育についてでした。

早期療育が重要と目にしてから、その効果を実感するまで、とても長かった気がします。その間には、受けている療育で悩むこともあり、通った療育を一旦辞めたこともあります。

でも、療育を続けて良かった。今振り返ると、そう感じています。あくまで我が家の例ですが、少しでも参考になれば嬉しく思います。

おすすめの記事