紙飛行機

娘が年長の頃、娘が幼稚園に行きたくないと珍しく登園を嫌がったことがありました。理由を聞くと、言語が遅れているので、詳細は言わないのですが「Aくんに叩かれるから」と言ったんですよね。

それまでも「叩かれるんだ!」と娘が言っていたり、授業参観などでも実際そういった場面も見ていたんですが、そういう時に娘本人がどうするかというのも大事な学びになるという認識があって、娘が1人で対処できるのであれば、見守りたいという気持ちがありました。

そして、他害があったAくんが、娘だけを対象にしているわけではなく、他のお子さんにもしている様子があったのと、我が娘も発達障害を抱え不適切な行動を園で繰り返していたのもあって、Aくんにも何らかの事情がある(発達上の特性や育ちの背景など)かもしれないという考えがありました。

なので、娘の登園に問題がなければ、嫌なことは嫌だと伝える力を身に着けるチャンスと捉えて「嫌なら、やめてと言おうね。」、「先生に伝えると良いよ!」とだけ伝えて様子を見ていました。

それが、突如「幼稚園に行きたくない」という恐怖心を訴えるようになったので、幼稚園の先生に相談することに。今回は、そんな園での他害について、足跡残しておこうと思います!(ちょっと感動します!)

幼稚園で起きた他害、出来る限り見守ったらどうなったか!?

幼稚園バス

幼稚園の先生に相談すると、先生もAくんの様子を把握されていて、「すぐには直らないと思います」、「時間がかかると思います」というお話でした。この時に、Aくんも何かしらの事情を抱えているんだなと察しました。

実際、自分の娘も発達障害を抱え、不適切な行動を止めたくてもなかなか止まらないことが分かっていたので、「すぐには直らない・・ごもっともだな・・」と思う自分がいました。

では、どうする!?見て見ぬふりをするの!?

いえいえ!娘も恐怖心があるので、見て見ぬふりは出来なくなりました。どうしたかというと、先生が娘に、「Aくんに嫌なことをされたら、先生が必ず守ってあげる。だから、怖いと思ったり、嫌なことをされたら必ず先生に教えて欲しい」と伝えて下さいました。

そして、先生からそんなお話を聞いて、家庭でも、自分で自分を守る方法を教えることに!「先生が守ってくれるから大丈夫」ということ、「嫌なことは、嫌だと言わないと人には伝わらない」、「やめてと言おう」、「怖くなったら先生の傍にいよう」と繰り返し娘に話すことにしました。

朝になって、「Aくんが怖いから行きたくない」と言えば、「それを先生に伝えに行こう!」と促し、その気持ちを伝えるためにまずは園に足を運び娘から先生に気持ちを伝えるよう支援。園に足を運んでしまえば、先生が大丈夫と伝えてくれ、ケアしてくれるので、娘の場合はそのまま園の活動に参加できました。

遊ぶこども

最初の頃は、そのAくんを見る度に「怖い怖い」と自ら先生の近くに行ましたが、いずれ先生から離れて遊ぶようになり、何かあっても先生に自分で報告することが出来るようになっていきました。先生に報告すると、先生と娘で、Aくんに抗議をしに行っていたそうです。それで、Aくんも反省して謝るということがしばらく続きました。

その内に、娘も「先生に言えた!」、「やめてって言えた!」と報告するようになりました。Aくんもまだまだ不安定なことはあったようですが、娘への集中攻撃はなくなっていき、その内に他害が一切なくなりました。

娘から「Aくんのことは好きじゃない」という言葉が出てきていましたが、それは当然だなと感じたので、「そうなんだね!」と受け入れていました。

そんな娘とAくん。無事に卒園したんですよね。そして、別々の小学校に進むことになりました。でも、登校時に時間が重なって、会うことがあることが分かりました。道ですれ違うんです!

娘一人でその道を歩かせる時、親としては、ド緊張。笑 もう幼稚園の先生も居ないし、「大丈夫だろうか・・」と不安が頭をよぎりました・・ドキドキ(⇒遠い所からチラ見している状況。笑)

そうしたら、こんな光景が待っていました!

笑顔で、名前を呼び合い、お互いハイタッチ!

四葉のクローバー

Aくんと娘、すれ違う前にお互いに気づき、娘は、「あ!Aくん!」と呼びかけ右手を挙げたんです。そしたら、Aくんも、娘の名前を呼び、にこにこ笑顔。そして、すれ違う瞬間に、ハイタッチをしたんです!

・・・ハイ、感動・・・(隠れながら・・)

色々あったけれど親の気づかないところで、同級生だったという絆があったのかもしれません。

なんだか娘の成長もそうですが、Aくんの成長にも胸がいっぱいになりました。

他害って聞くと、なんだか嫌な気持ちが芽生えます。子供同士のことなので、ちょっと手が出てしまうことは全然想定内だったのですが、基本的には暴力や相手が嫌がることは絶対にいけないこと。これは確かなんですが、きっと、発達上の特性や様々な背景から他害をしてしまうお子さんも中にはいて、頭を抱えるお母さま方もたくさんいらっしゃるはず。

そして、叩かれたり傷つけられる側も、自分の子がそういう目に合っていると感じたら、心が痛むはずだし、相手に対して嫌な感情が湧いてくるのも当然ですよね。嫌なことを無理に我慢をする必要もないと思います。怪我やトラウマになるのは絶対避けたい。

でも、他害がすぐにやめられないお子さんの場合、いくら先生や他害をするお子さんの親御さんにクレームを言っても、すぐに解決しないんですよね。親御さんもすでに悩まれていて、追い詰めてしまうだけ、逆効果になります。

それであれば、”環境を変える(転園)”か、”回避できる方法を一緒に考えたり、Aくんの他害を減らす協力をする”しかない。そして我が家は、”回避できる方法を探すこと。協力をすること”を選択しました。

今回のことで、娘は「いやなことは嫌だと伝える」、「困ったら先生に伝える」、「嫌なことをされたら回避する」ということをAくんから学んだ結果になりました。

子育てをする上で、どれが正解なのか分からず、反省したり自問自答する日々ですが、1つの例として、足跡を残しておこうと思います。

特性や色々な事情から他害がなかなか止められないお子さんを抱えているお母様方、努力してもなかなか収まらないこと、理解をしている人もいます。応援や協力をしようとする人も中には居ること、少しでも支えに繋がれば嬉しく思います。

それでは、また!

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