四つ葉のクローバーと家

同じく発達障害の疑いや、診断をされたお母さん方と話しをしていると、小学校に就学するタイミングで引っ越しを考えておられる方が結構多いんですよね。その背景には、「子供にとってより良い環境や学校を選びたい」という気持ちが見えてきます。

実は我が家も引っ越しを考え、希望地へと2度も引っ越しをしました。そんな子供のことを考えての引っ越しですが、良いことばかりではありませんでした。本音を言うと、当然ながらリスクもあります。

ということで、今回はよりよい環境への引っ越しを考えた際に、注意したいことについて、我が家の経験を踏まえてまとめておこうと思います。

我が家が引っ越しを検討し、引っ越しを決断した理由!

決定的な理由は、発達障害と診断された娘が成人することをイメージした際、その時に住んでいた居住地に99%住むことはないと思えたからでした。

その背景には、もちろん次のような理由もあります。

  • 軽度発達障害の子への療育環境が希望と違っていた
  • 親としても、その地がホームとは考えられなかった

であれば、娘が成人した時に住むであろう地域やより良い環境と思える地域に早いこと越した方が環境に慣れる意味でも良いのではないかという考えに至り、引っ越しを本格的に検討し始めました。

引っ越し当時の娘は不安が強く、新しいことや環境、場所も苦手。人も苦手。であれば、せめて彼女を理解してくれる身内が多い人間関係の中で育てたい、そして大人になって彼女が住むであろう地域に早い内に慣れさせたいと考えました。

現に、その時に住んでいた地方の主な移動手段は車。公共交通機関の利用はほとんど皆無でした。一方で、彼女がいずれ住むであろう地域は首都圏。公共交通機関の利用を頻繁にすることになります。

こういった意味でも、引っ越しを真剣に検討し、実際に決断することになりました。

発達障害、事前に知っておきたい引っ越しのリスク!

はてな

将来を見据えた引っ越しとなると、つい明るい未来をイメージしてしまいがちなのですが、引っ越しには必ずリスクも抱えています。例えば次のようなこと。

  • 環境の変化で子どもが不安定になったり、状態が悪化したりする
  • 両親の仕事事情、生活の基盤が変化
  • 引っ越し先の環境や人間関係が合わない可能性がある

これはどれも我が家が経験したリアルなリスクです。程度の差はあるにしろ、引っ越しをする場合はこういったリスクを抱えることになります。

そして、実際にこういったリスクに直面するとストレスもかかりますし、生活や家族関係も変化することになります。

我が家の場合は、ある意味、慣れ親しんだ地域に帰ったことになるのですが、それでも、かなりのストレスを抱えました。当然ながら、子どもが転園したため環境が変わり、しばらくは子どもが不安定になり、荒れましたね。

引っ越し先は私が慣れ親しんだ地でしたが、生まれ育った実家に帰ったわけではないため、新しい人間関係、環境への対応に必死になり、夫も新しい職場に慣れるのに必死ということで「すごく大変だった」ことは確かです。

このように誰もが必死だった当時の状況を思い出すと悲惨。w 誰もがストレスをかかえ、余裕がなく、互いにぶつかりましたね。

なので、これらのリスクを抱える覚悟があるか、そしてこれらのリスクをいかに軽減するかというのが、引っ越しをする上で大事だと感じます。

引っ越しを考えた際に注意しておきたい、3つのこと!

チェックリスト

引っ越しをする上で、注意しておきたいことは次の3つ。

下調べ、情報収集は必須!

目

我が家の場合は、将来子どもが住むであろう首都圏に居住地を絞りましたが、具体的な地域については軽度発達障害の子の教育環境によって柔軟に決めようと考えていました。なので、教育環境についての下調べや情報収集はしすぎというほどした気がします。

子どもの長期休暇中は、首都圏の療育機関の短期プログラムに参加し、そういった場で知り合ったママさん方から色々と情報を収集したり、気になった地域の教育環境などをネットで調べたり、実際に地域を歩いてみたり、挙句の果てには区役所や市役所などに問い合わせまでしていました。

せっかくの引っ越し、「合わなかったらまた引っ越せば良い」という「なんとかなるさ」というような考えももちろん必要だと思いますが、費用も労力もかかるので、出来れば一度で良い環境に引っ越したいですよね。

教育環境についてはある程度、事前に調べることが出来るため、事前の情報収集、下調べはオススメです。

なお、実際の居住環境や人間関係については調べようがなく、運次第。こればかりは、引っ越してみないと分かりませんでした。→このあたりは、引っ越しで親が抱えるリスクということになります。

子供にとって良い環境というだけで、引っ越しはしないこと

笑顔の家族

これは、自閉症教育で有名な先生からアドバイスしていただいたこと。

『子供にとって良い環境というだけで引っ越し先を決めないこと。親にとっても居心地の良い環境を選ぶこと。』

実際に引っ越しをした我が家にとってもこのアドバイスは頷けます。

このアドバイスの意味は、『子どもにとって良い環境に引っ越したからといって、子どもや親を含めた家庭がハッピーにすべてうまく行くことなんてない!』ということ。

良い環境に移ったとしても、ストレスや苦悩がなくなるわけではなくて、その環境ならではの新たな悩みやストレスが出てくるというお話でした。

経験から言うと、「その通り!」でした。 別の悩みやストレスを抱えます。だからこそ、子供のためだけを考えた引っ越しはNG。パパとママにとっても良い環境であることが大事です

もしも、子供のための引っ越しをして、パパやママにとって合わない環境であれば、おのずとパパとママにストレスがかかり家庭内の和が乱れます。

それに、子どものためだけに引っ越すと、うまくいかなかった時に言い訳するようになります。「子どものために犠牲になった」、「私や俺ばかりが辛い、耐えている」、こんな風に捉えがち。

でも、子どもだけでなく、親にとっても良いと思える環境に引っ越しをすることで、うまくいかなかった時も、解決に向けて能動的に行動できます。『自分が選んだのだからやるしかない!』というような、責任感が生まれるんですよね。

つまり、誰かのために引っ越しをしたというのと、自分達が好んで引っ越しをしたという感覚では、何かあった時に湧く感情や行動に差が出るということになります。

パパとママも、そして発達上の特性を抱える子どもも、家族の全員にとって心地良い環境を選ぶこと、我が家の経験上でもとても大事だと感じます。

戸建て、マンション購入は慎重に!

家

小学生までにはお家を構えたいと思う方は多いと思います。こういった時期に引っ越しが重なるとつい、戸建てやマンションの購入を検討しがちですよね。

ただ、持ち家、マンションとなると「合わないならまた引っ越せば良いか!」というわけには行かず、万が一その環境が合わなかった時に逃げ道がなくなってしまう可能性があり、プレッシャーが肩にのしかかります。

資金が十分にあり、買い替えも簡単に出来るようであれば別ですが、そうでない場合のマイホームの購入は経験上、慎重に考えることをオススメします。可能であれば、一旦その地域にしばらく住んで、地域の雰囲気や特性を見てから検討する方が無難だと思います。

子どもが学校に通学できるか、親が心地よく過ごせるか、お金を貯めながら感覚を掴んでからの方が安心です。

引っ越して良かった!?リアルな感想!

葉と光

まずは、自分の慣れ親しんだ地域に引っ越したことは、子どもにとっても私達にとっても大正解だったと言えます。教育環境もとても満足しています。ただ、親にとっては、手放しで喜べない側面もあります。

我が家の場合は、子どもにとっても、親にとっても良い環境を選んだつもりでしたが居住環境で大きなストレスを抱えました。原因は、防ぎようがなく運としかいいようがないことだったのですが、親にとっては心地良い場所にはならなかったんです。

なので、子どもの環境は変えずとも、首都圏の中で新たに引っ越しました。でも総合的に見れば、首都圏で暮らすこと自体には大満足です。

まさに、引っ越したから全てがハッピーというわけではない、療育先からアドバイスを受けた通りですね!

以上が、「発達障害、より良い環境のための引っ越し!引っ越し前に注意したい3つのこと!」でした。

お子さんとパパとママにとってより良い環境に巡り合えること、願っています。

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