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以前、娘は3歳半の時に発達障害(自閉症スペクトラム・高機能自閉症)の診断を受けたのですが、診察と診断についてその医師に質問をしたことがあります。

質問の内容は、下記2つ。

  • 『なぜ、医師によって診断をすぐにつける場合とつけない場合があるのか、その差は!?』
  • 『”定期的通院”と、”1度きりの診察”、どうして差がでるの!?』

なぜこの質問をしたかというと、同じ時期に、同じ医療施設に発達障害を疑って診察を受けた方がいらっしゃったんですよね。担当医師は違う方だったのですが。

話しを聞くと、その方は診察した医師から『定期的に通院するように言われた』、『診断などの話しは出なかった』そうなんですよね。一方、我が家の場合は、『通院の話しは一切なく。その1度の診察で終了』、『診断名がついた』んですよね。

医師によって、発達障害の診察や診断は異なる場合があると聞いていたので、『やはりそうなんだな・・』と感じた瞬間でもありました。

ただ、我が家も定期的に通院できるのであれば、その都度困難なことや疑問点を聞ける機会がある気がしたので、通院したいな・・と正直に思ったんです。

なので、別の講演会などで診察して下さった医師にお会いした際に、率直に聞いてみました!その情報を今回は、まとめておきたいと思います。

”診察・診断”の違い!担当医師の方針のみでなく、医療機関の位置付けや、『患者さん』や『ご家族』の様子によって対応が異なる!

医師と看護師

もちろん、この回答は特定の医師から聞いた話なので、医師によって答えは異なるとは思いますが、地域によっては、医師と話をする時間が限られていたり、こういった質問をしづらい場合などがあるはずなので、参考までに共有しておこうと思います!

1.『なぜ、医師によって診断をすぐにつける場合とつけない場合があるのか、その差は!?』

空にハテナ

娘を診察した先生は、『診断書や診断名をすぐに出してくれる』という評判の先生で、地域では発達障害と言えば、第一人者と呼ばれている先生でした。そして、我が家は、入園するにあたり、『診断書』が欲しかったので、その先生を指名しました。

その先生から聞いたお話によると、子供によって、

『その子の様子を見てすぐに、明らかに診断名がつけられる場合』と、『ゆっくり観察や時間をかけないと分からない場合』

があるそうなんです。確かに自閉症スペクトラムといっても、アスペルガーのように、幼少期ではなかなか気づかれないこともあると聞きますよね。

『ゆっくり観察や時間をかけないと分からない場合』、特に幼少期の場合は、医師も診断をつけるのを迷うことがあると教えていただきました。そういった場合は、診断名をつけない・・、当然ながら、納得です。

ただ、その先生は、『発達障害の可能性があるのであれば、そのように捉えて、早期療育に繋げた方が良い』という考えをされていて、我が家のことも『長い時間子供と過ごしているご家族や、園の先生方が、発達障害の可能性を疑われるのであれば、その可能性は高い』とのこと。なので、『療育に繋げるためにも診断名をつける』ということだったんですよね。

でも、ご家族や周りによって、診断名がつくことで療育につなげられない可能性がある場合は医師としても診断については慎重にならざる終えないということだと感じました。

やはり、診断をつける・つけないは、医師によって方針が異なるはず。可能性の範囲内なら、診断名はつけないという先生もいらっしゃると思います。

2.『”定期的通院”と、”1度きりの診察”、どうして差がでるの!?』

病院

この質問は、娘を診て頂いた2人の異なる医師に聞いてみたのですが、下記のようにいくつかの理由がありました。

我が家が受診した医療機関は、県の医療機関であったから
1度の診察では『発達障害かどうか』見極められないから
ご家族や周りの環境の受け入れ態勢が整っていないため

1つずつ、説明していきますね!

・医療機関は、県の医療機関であったから

我が家が最初に診察に行った医療機関は、県の医療機関で、予約待ち期間が半年でした。それだけ多くの患者さんが診察を望んでいて、待っているということ。そもそも、診察予約が取りづらいんですよね。

そんな状況で、通院患者さんを増やすということは、新規の患者さんの診察がどんどんと遅れてしまう可能性があるということ。患者さんの状況や、ご家族などの状況にもよるけれど、なるべく新規の患者さんを診れるようにしているとのことでした。

もはや、納得・・。通院患者さんが増えれば増えるほど、やっぱり新規の患者さんの待ち時間は多くなって、パンク状態になりますよね。それを避ける為にも、必要不可欠な場合を除いて、通院の患者さんの数を増やさないようにしていたんですよね。

これは、医療機関の位置付けや状況によるかと思います。

・1度の診察では『発達障害かどうか』見極められないから

おもちゃで遊ぶ子供

これは、上記1. でも説明しましたが、子供によって、『その子の様子を見てすぐに、明らかに診断名がつけられる子』と、『ゆっくり観察や時間をかけないと分からない場合』があるとのこと。

幼少期は特にそのようで、ちょっと『個性が強い』で済んで、その後の集団に適応していければ診断名をつける必要がないのも良く分かります。

なので、『ゆっくり観察や時間をかけないと分からない場合』は、定期的に観察をして、様子を見ていく・・ということも医師によってはあるそう。”発達障害の可能性を感じたら、あえて診断名をつける”という医師の方針でもなければ、確信がない限り、診断名はつけない・・という方向になるのも理解できます。そんな背景から、定期的観察のために、定期的通院に繋がるということが分かりました。

・ご家族や周りの環境の受け入れ態勢が整っていないため

これは、首都圏に移ってから、娘を診て下さった先生のお話。発達障害と明らかでも、ご家族や周りの環境が、なかなか受け入れられない場合は、定期的に通院してもらうように促すそうです。時間をかけて、説明して理解してもらうように繋げていくということですよね。これも、とても納得が出来ました。


 

医師が替われば診察や診断の方針も変わりますが、医療機関の位置付けや形態によってもやはり差が出てくるのが分かります。

個人経営のクリニックでも、途切れない支援を目標に幼少期から成人期に至るまで定期的通院に力を入れている場合は、予約待ち期間がとても長いというのも耳にします。そして、県の医療機関であっても医師によっては定期的通院を積極的に促して下さる先生もいらっしゃいます。

そういう場合は、逆に定期的通院が当たり前なんですよね。診察の目的にもよりますが、定期的通院の場合は、子供の成長に伴って、告知がしやすいなどのメリットもあると聞きます。

発達障害の診察や診断においては、迷うこと、悩むことも多い気がしますが、少しでも情報の足しに、そして不安を軽減することに繋がればと思います。それでは、また!

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