四つ葉のクローバー

娘は当時、カテゴリーで分けるならば軽度発達障害やグレーに属すと言われていました。その際迷っていたのが、療育手帳を取得するかどうかでした。取得も視野に入れていて、発達検査でのIQ的には診断書があれば取得できたのですが、母として取得にはずっと迷いがありましたね。

どんな迷いだったかというと、簡潔に言えば「障害という枠組みに当てはめても良いのか」、「この決断がこの子の人生を台無しにしないだろうか」ということでした。親として、療育手帳の取得に大きなプレッシャーを感じていたんです。

でも、結局小学校就学を機に我が家は療育手帳の取得を決断。ということで、迷いがある中で取得を決断した理由やきっかけ、実際に療育手帳を取得したメリット&デメリットなどを経験談としてまとめておこうと思います。

取得を迷っていた療育手帳、取得を決意した3つの理由とは!?

葉と光

療育手帳の取得にはかなり慎重で迷いがあった我が家ですが、就学を機に療育手帳の取得をしました。取得を決めた理由は次の通り。

1.地域の小学校(普通級)で、個別の支援なしでは難しいと思えたから

小学生

幼稚園に在籍していた頃は、「学区の小学校(普通級)に進学するかもしれない」、そんな可能性も視野に入れていました。

普通級に在籍するのであれば、「あえて療育手帳を取得しなくても良い」、そんな考えが頭の片隅にあったんです。個別支援などが特に必要なく集団活動が出来れば、必要性はないなと。

でも娘の場合は、年長の頃でも集団活動にうまく参加出来ず、個別支援が必要なことが多々ありました。そんな様子を見ていて、娘の場合は「学校生活(普通級)では支障が出る」「周りに大きな迷惑がかかる」そう確信出来ました。

学区の小学校の普通級に就学し、個別支援が必要ないのであれば、「療育手帳はあえて申請しなくても」と考えていた我が家ですが、学校生活に個別支援が必要となれば、「療育手帳を取得しよう!」自然な流れで取得へと動くことになりました。

2. 将来、障がい者枠での就労の可能性も考慮したから

道

軽度発達障害やグレーのカテゴリーに属す方の就労はこれまでとても厳しい状況にあると聞いていました。一般就労だと、人間関係や業務の複雑さから挫折してしまったり、かといって障がい者雇用の対象にはならなかったり。

そんな時に参加した1つの講座で、一度でも療育手帳を取得していたという履歴がある場合は、障がい者枠での雇用対象として働けた例があるという話を聞いたんです。

療育手帳を継続して持つには、定期的な更新手続きがあります。軽度発達障害やグレーというカテゴリーに属す子の場合、その更新時期に成長して療育手帳の対象枠から外れるということがありえるんですよね。

娘が今後も療育手帳の取得対象枠にずっといるのか、将来のことは、娘が成長してみないと分かりません。これからの社会、軽度発達障害やグレーの方の働く環境が整ってくるるかもしれないし、そうでないかもしれない。

でも、もし1度療育手帳を取得していくことで、将来の娘の進む幅を広げる可能性があるのであれば、「取得しよう!」そう思えました。

3.支援やサービスを利用するのに、療育手帳があると手続きなどがスムーズだから

面談

学校生活で普通級に在籍すれば生活に支障が出ると確信し、個別支援の必要性があるときに考えたのが、彼女がスムーズに支援を受けられるようにしたいということ。その方法が療育手帳の取得でした。

というのも、学区の小学校に見学に行った際、支援級に在籍するのであれば療育手帳があると加配などの考慮がされやすいという話を聞いており、民間施設の療育を受ける場合や放課後等デイサービスを利用する場合、療育手帳があるととてもスムーズに手続きが進みます。

支援が必要ならば、支援を受けやすくしよう。それが、おのずと療育手帳の取得に繋がりました。

子どもを障害という枠組みに当てはめて良いのかという不安はどうした!?

光が射す森

療育手帳を取得することが、娘の人生を左右するようでとてもプレッシャーを感じた時期がありました。でもある時ふと思ったんです、その不安は未来に対して抱く不安だなと。その不安のせいで、「現在」を台無しにして良いのかと。

試しに「現在」にスポットを当てて考えてみると、娘は園での集団生活に支障があり、課題は山積み状態。個別支援が必要な状況でした。となると、現在(その当時)、娘は日常生活にかなり困っているということ。

であれば、「どうなるか分からない先の未来よりも今困っている娘にとって必要な支援をよりスムーズに受けられるようにしよう」そう思えました。

未来ではなく「現在」にスポットをあてることで、「子どもを障害枠に当てはめて良いのか」という視点から外れ、不安も軽減されました。必要な支援は受けて成長に繋げる、それが最大の優先事項でした。

療育手帳を取得して実際どう!?療育手帳のメリット&デメリット!

電球

我が家が感じた療育手帳取得のメリットとデメリットは次の通り。結論からいうと、デメリットはほとんどないです。

療育手帳取得のメリット!

四葉のクローバー

療育手帳を取得して良かったことは次の通り。

  • 支援やサポートを受ける対象という証拠になる
  • 支援やサポートをお願いしやすい
  • 特典や税金の控除が受けられる
  • 民間の療育施設やデイサービスの利用がしやすい、手続きが楽
  • 子供の特性を認め、受け入れるきっかけになりうる

療育手帳を取得していない頃は、見た目で分からないことから、「何が問題なのか全然分からない」、「親が心配しすぎるのではないか」と言われたり、障害児用のサービスを利用しようとすれば、「利用対象外」と言われたりと、我が家が抱える困難や苦悩を理解してもらうことが難しかったのですが、療育手帳があれば「支援が必要な対象」とすぐに理解してもらえるようになり、精神的にも手続き的にも楽になりました。

当然ながら、園生活や学校生活でも「支援が必要な対象」と理解してもらえるため、支援を受けやすくなります。また、公共交通機関やテーマパークの利用料なども割引になったり、障害者控除が受けられたりと、嬉しく有難いサービスも多々あります。

では、デメリットはどうでしょうか。

療育手帳取得のデメリット!

家

療育手帳取得のデメリットですが、我が家の場合はそもそも支援が必要な状態でしたのでほぼなし。あるとすれば次の通り。

  • 療育手帳取得を公けにすれば、障害児という枠組みで見られる
  • 療育手帳を継続して更新するには再判定が必要

当然ながら、療育手帳を取得すれば「支援が必要な子」として扱われるようになります。ただこれは療育手帳を使用してサービスを受ける際や、取得している旨伝えればの話です。手帳を取得しても、特に利用しなかったり、口外したりしなければこのデメリットは少なくなるか、ほとんどないと考えられます。

また、手帳を継続して持つには、数年に1度再判定が必要になります。その際、児童相談所などに子どもと共に出向いて発達検査を受けたり、口頭で状況を伝えたりといった手間がかかります。

これらが考えられるデメリット。我が家の場合は、デメリットはほとんど感じられませんでした。

以上が、「療育手帳の取得に迷う!療育手帳を取った理由とは!?療育手帳のメリット、デメリット!なったことは!?」でした。

療育手帳の取得、子どもの人生を親が左右してしまうようで、とにかく迷いに迷い、大きなストレスを抱えていた気がします。

今現在、取得に迷いを感じてる方もいらっしゃるのではないでしょうか。我が家はあくまで1例ですが、同じように迷った仲間がいることや経験談を読むことで少しもお役に立てれば嬉しく思います。陰ながら応援しています!

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