夕日と海

娘は2歳半頃に、発達障害の可能性を医師より伝えられました。

自ら娘の発達に疑問を抱き相談に行ったので、発達障害と伝えられる覚悟もしていたはず、だからすぐに受け入れられると思っていたんですよね。

でも、実際に湧いてきた感情は違って「ショック」、その一言でした。帰りの車の中で、泣きながら帰宅したのを今でも覚えています。

その後、「受け入れなきゃ」と必死でした。「受け入れて楽しく子育てしているのが理想の母親像」という意識もあって、「自分は娘の発達障害を受け入れている」と表面的に思い込むようにしていました。

なので実際に人に会えば、「私は受け入れている!」と話していましたし、それがもちろん自分の理想だったんです。でも実際は、「全く受け入れられていなかった」と、改めて振り返ると分かります。

私の場合は、娘のありのままをようやく受け入れ始めたなと思えたのは、小学校の進学先(どの小学校か、普通級・支援級にするかなど)が決まってからでした。

「なぜ受け入れたい気持ちがあるのに、受け入れられなかったのか」、振り返ってみて気付いたことがあります。

今回は、そんな『受け入れられない気持ちの正体(理由)』について、まとめておこうと思います。

子供の発達障害、『受け入れたいと頭で分かっているのに、受け入れられない』、なぜ!?

きっと私と同じように、「子供のありのままを受け入れたい」、「受け入れなきゃ」、「受け入れた方が良い」と頭ではわかっているのに、なかなか行動が追い付かない、「受け入れられない」と感じるお母さん方も多いのではないでしょうか。

このギャップ感が精神的にきついんですよね。私も、分かってはいるのに受け入れられない自分を長らく責めていました。

私が、なぜなかなか受け入れられなかったのかというと、自分が無意識意識に描いていた理想の子育てのイメージや理想の子供のイメージと、現実があまりに違っていてとまどい、理解するのに時間がかかったからでした。

理想の子育てのイメージと現実とのギャップにとまどい、理解するのに時間が必要だった。

おもちゃで遊ぶ子供

よーく考えると、妊娠中から、理想の子育てや子供のイメージを描いていた気がします。

育児本や、雑誌、テレビ、自分の過去の経験を通して、「こういう風に育てたいな」、「こんな子になるといいな」、「自分の母校に行ってくれれば嬉しいな」、「子供は勝手に育つんだろうな」など。

子供は、「公園や外遊びでいっぱい遊ぶ」、「おしゃべりでおませさん」、「いつもお友達に囲まれている」、「製作や工作が大好きな子」、「ディズニーや可愛いアニメが大好き」、無意識に理想やイメージをたっくさん持っていたことに気づきました。

これは発達障害に限らず子育て全般によくあることかもしれません。でも、我が家の場合その理想の子育てや子供と現実が全く異なっていたんです。

実際、発達障害であることが分かって、頭では、理想通りに行かないと分かっていても、その理想を手放せずにいたし、その理想に近づけようと行動していたことが、受けれられない気持ちの正体でした。

雲の多い空

とにかく理想を諦めきれなかったんです。

だから、いくら頭では「娘を理解しなくては」と思っていても、会話が成り立たない娘を見ると苛立ち、お友達と遊ばない娘を見て絶望し、不器用さな娘を見てなぜか悲しい気持ちに襲われる。そしてそんな自分を責める。こんな繰り返しだった気がします。

でも、そんな状況をなんとか1日1日乗り越えながら娘を見ていて、「絶対に自分の理想通りならない」と確信したタイミングが訪れました。その瞬間に急に理想から離れられんたんです。ふっきれたという言葉がしっくり。

その瞬間が「ありのままの娘を受け入れるようになったきっかけ」でした。子育てにまつわる理想を全て手放したことで、ようやく娘のありのままを受け入れられるようになりました。

「別の道からゆっくり行けばいい」そんな感覚になり、肩の荷がスッと下りた気がしましたね。

それからも、他のお子さんを見て、「あんなに成長が違うんだ」とか、「うらやましいな」と思う瞬間は度々訪れますが、さほど引きずられなくなり、娘への苛立ちや、絶望感などは感じなくなりました。

「娘を受け入れている」ことがベースになったからだと思います。

これはあくまで1例ですが、きっと「受け入れられない」と自分を責めているお母さま方もいらっしゃるはず。そして、それはもしかしたら私と同じように、理想の子育てや子供と現実があまりに違うことへのとまどいからくるものかもしれません。

1つ言えることは、受け入れるのには時間はかかるということ。理想の子育てと現実のギャップに苦しんでいるのならなおさら、手放すのには時間が必要です。

その過程で何度も、苛立ちや悲しみ、怒りを感じることでしょう。でもそんな自然に湧く感情をそのまま受け入れ、1日1日なんとか過ごしていくうちに、状況が変わったり手放したりできる瞬間が訪れます。

必要なのは「受け入れたい」と頭や心で思い続けていること。行動は伴わなくても、いつか必ず受け入れるきっかけを運んできてくれると思います。

大丈夫、仲間がいます。

それでは、また!

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