海と朝陽

発達障害を抱えている子を育てていると、周りへのカミングアウトをするか、しないかで迷われている方が多いことに気づきます。地域や時代によってもカミングアウトのしやすさ、しづらさって変わってくるんですよね。

私自身もとても悩んだことだったので、我が家のカミングアウト事情を交えて足跡を残しておこうと思います。

周りのママや、ママ友へのカミングアウトどうした!?カミングアウトすべき!?

空にハテナ

我が家の場合、ママさんやママ友へのカミングアウトは、転勤があったため、しなかった時とした時の両方を経験しています。

その上で、個人的な経験でいうと、カミングアウトした方が断然精神的には楽になりましたね。カミングアウトしていない時は何が辛かったのかというと、隠していることが辛く、嘘をついているわけではないのに、嘘を付いているような罪悪感を抱くことも苦しかったです。

ただ、2つの地域で子育てをした身としては、カミングアウトすべきか、すべきでないかは、地域や周りの環境によって異なってくるように思えました

我が家がどうしてカミングアウトしなかったり、カミングアウトしたりしたのか、それぞれについてもう少し詳しくまとめておこうと思います。

子どもの発達障害、なぜ他のママやママ友にカミングアウトしなかった!?理由とは!?

NG

赤ちゃんの頃から幼稚園の途中まで転勤先の地方に住んでいました。その間に娘が発達障害であることが判明したのですが、その頃は周りのママさんにカミングアウトはしないという選択をしました。

なぜかというと、下記の3つの理由がありました。

どこかでグンと成長して健常の子と一緒に小学校に普通級に行く可能性を考えていたから

まだ幼かったこともあって、いつかグンと成長して健常の粋に入るのでは!?と期待していた部分があったんです。

そうなった時に、先に発達障害ということが広まってしまうと、その言葉だけが一人歩きしてしまうのではないか。どうなるかまだ分からないのにレッテルを貼って良いものかと悩みました。

また、発達障害という言葉が当時その地域ではインパクトが大きい言葉のように思え、いじめに繋がる恐れも懸念していました。そのリスクがあるのなら少しでも抑えたいと思っていました。
療育に通っていた他のママさんもカミングアウトせずにいたから
あとは、地域柄かもしれませんが、当時療育に通っていたママさんが誰一人として周りにカミングアウトしてなかったんです。

「きっと見たら分かるから」とおっしゃっていたママさんは居ましたが・・。なので、そこで1人だけカミングアウトしてしまうと、母子ともに浮くのでは・・という不安が強く、カミングアウトに至りませんでした。
カミングアウトしたママさんが苦しい思いをされたと噂を耳にしたから
さらに、別の幼稚園でカミングアウトされたお母さまが、今まで母子で仲良くされていたママ友グループから距離を置かれるようになってしまったという噂も耳にしたのもカミングアウトしなかった大きな理由になりました。

そのお母さまが「絶対カミングアウトしない方が良い」と話していたと聞いたんです。

カミングアウトしている人がほとんどいない環境で勇気をもってカミングアウトした結果がこの状態だと、不安が強くなるのは当然。この噂だけが先行している感も否めませんが、当時はほとんどの人が口を閉ざしていた気がします。

子どもの発達障害、なぜ他のママやママ友にカミングアウトした!?理由とは!?

空にハテナ

首都圏に住むようになってからは、カミングアウトをしました。

といっても、クラスの保護者の方達が集まった中で正式にという形ではなくて、それぞれよく会うママさんなどにそれぞれのタイミングで「発達がのんびりなので」や、「生まれつき聴覚過敏があって」、「コミュニケーションが苦手で」とその状況に応じて伝えていました。

そして療育に合うママさんにはもっとオープンに、発達障害と診断されたことなどを正直に話していました。

なぜ今回は、周りのママさんにカミングアウトしたのか、下記の理由があります。

お友達にちょっかいを出してしまったり、変わっている行動が目立っていたから

娘は環境の変化にとても弱く、1学期でクラス替えなどがあると毎年、不適切な行動が出てしまったり、集団から外れてしまったり、立ち歩いてしまったり、園児の頃はとても大変だった記憶があります。首都圏で通った園は少人数ということもあって、とにかく変わった行動をしていると目立つんですよね。

実際にお友達にちょっかいを出していることも先生から報告を受けていたのですが、いくら言い聞かせてもすぐにな行動が直らず周りにご迷惑をおかけすることを考え、周りのお母さんには、発達がのんびりで遅れている旨とお詫びの言葉を伝えていました。

たまたま理解のあるママさんが多く、温かく見守ってくださっている雰囲気が感じられて、本当に有り難かったです。

療育に通う周りのママさんが皆カミングアウトしていて、明るかったから四葉のクローバー

当時、転勤先の地方と首都圏で何が最も異なったかというと、発達障害への理解度でした。引っ越しをした首都圏は全国的にも発達障害の子どもを受け入れる環境の整備が進んでいた地域で、お母さま方がとにかくオープンで明るい雰囲気がありました。

なので、療育に通われているママさんに色々と話を聞いたところ、公の場でするか、内々にするかは差がありましたが、ほとんどの方がカミングアウトされていて、とにかく明るかったんです。そして、「逆に偏見を持つ人は、結局今後もお付き合いできない方だから、それはそれでしょうがない」という割り切りをされている方が多かったんですよね。

さらに、カミングアウトをしているママさん方から、隠している方が苦しかったという意見も聞き、背中を押される形で私もカミングアウトしようと決めたことを覚えています。

子どもの発達障害、周りのママやママ友にカミングアウトすべき!?

葉と光

個人的な意見を言えば、ひたすら隠して行動していた生活よりも、カミングアウトした方が断然楽だったので、カミングアウトして良かったと感じます。

ただし、これは周りの環境にもよるので、一概には言えないところ。

地域全体で発達障害への受け入れ環境や、教育環境がある程度整備されないと、偏見を持たれてしまう可能性もあるはず。本当ならばカミングアウトして、仲間が出来て、ママさん同士情報交換できるというような環境が理想ですが、それが出来ずに偏見ばかりで孤立するのであれば、どうなのか・・。

ただ、隠していても思わぬところで、バレてしまう可能性は大いにあるんですよね。例えば、療育に通っている姿を同級生の子に見られたとか、同級生のお母さんから見られたとか、先生にだけに伝えていたつもりが先生から情報が漏れたとか・・、色々なことが考えられるので、カミングアウトしなくても何か聞かれた時に、どう答えるのかを考えておくと良いと思います。

そして、カミングアウトにあたっては、どのようにカミングアウトするか、「言葉」は選ぶことができます。我が家は診断名などは出す方と出さない方と分けていて、人によってカミングアウトする言葉を選ぶようにしていました。

例えば、教育機関や療育先では、療育方法などの目途が付きやすいように迷わず診断名を出します。ただ、子どもの関係のママさんなどには、診断名は出さずに、どういう特徴があるかを伝えたり、発達がのんびりなんて言葉をあえて使ったりして伝えていました。

ただ、お子さんを就学時に普通級に入れる場合は、カミングアウトを迷われる方が多いはず。万が一話すことで、子ども関係に影響したら・・と考えるのは自然なことですよね。

周りに恵まれれば、カミングアウトしても温かく見守ってくれるはずですが、こればかりは地域、人間関係などの環境も考えながらとなると思います。

理解してくれない人もいれば、必ず理解してくれる人がどこかにいる。辛くなったときは、この理解してくれる人がどこかに必ずいること思い出してもらえると嬉しいです。

以上が、周りのママやママ友へのカミングアウトについてでした!

カミングアウトする際は緊張しますが、理解のある人や環境であれば「なんだ、取越し苦労だった」ということが多いはず。私の場合もカミングアウトしたことで、すっと肩の荷が下るような気持ちになったのを覚えています。

 

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