夕日と海

子どもが発達障害の可能性を伝えられたり、発達障害だと分かった際、ふと頭をよぎったのが、その事実を身内にどこまで伝えるかでした。

最も身近であるパパには迷いなく伝えましたが、次に近い両親や義両親へはどうするか。こればかりはご家庭の方針によって皆さん違っていて、あえてその事実を伝えないというご家庭も多々あります。

我が家はどうしたかというと、親密に関わることになる身内だからこそ真実を伝えて、子どもにとってプラスとなる接し方が出来るよう協力をお願いしたいという気持ちでした。なので、実両親と義両親の両者に発達障害であることを包み隠さずカミングアウトしました。しかし、一筋縄では行かなかったですね~。

そんな経験から、ママ(母)さん方が悩むであろう、義両親との関係にスポットをあててまとめていきたいと思います。

子が発達障害、義両親とは疎遠に!?関係はどうなった!?体験談!

はてな

子どもが発達障害であることを伝えると、実両親はその事実を一切受け入れられませんでした。一方で、義両親はすんなりと、発達障害であることを受け入れてくれたんです。実両親に理解してもらえなかったショックも相まって、「分かってもらえた」という安心感や安堵感が広がり、とても嬉しかったのを覚えています。

でも、残念なことにそれが永遠に続くわけではなく、今ではこれがきっかけで疎遠になってしまいました。原因は、私の義両親への過度な期待と、実際の義両親の理解に差があったからだったんですよね。

「分かってもらえた」というのは、あくまで表面的な言葉と、義両親なりの理解の仕方だったんです。そして、見るはずではなかった本音が見えてしまうことで、溝が深まることに。やはり、人間関係は密過ぎず、着かず離れずの距離感が良い、そう思います。

実際どんなことがあったのか、私のようにならないよう、参考として実際の経験談を次にまとめておきたいと思います。少し長くなりますので、時間がないかたは次に進んでくださいね。

義両親との関係、上手く行かなくなった経緯!

1. 娘の発達障害をすぐに理解&深い関係に

四つ葉のクローバー

「孫が発達障害を抱えている」ことを受け入れられないでいた実の両親とは裏腹に、義両親はすぐに理解を示し、遠方から飛んできてくれたほどでした。これには、感謝の気持ちでいっぱいだったことを覚えています。

実の両親とは、理解してもらえなかったことで一時期疎遠になり、連絡もほとんど取り合わず。それが、私にとってとてもショックだったこともあり、そんな心の乱れから実両親との関係について相談や不満も義母に伝えるようになってしまいました。さらに、育児を全く手伝わなかった夫(義理母にとっては実の息子)の相談も。

今思えば、「それはありえない!」と思うのですが、当時は私も相当追い詰められており、狂っていた、そんな状態でした。

そうなると当然のことながら、義両親とはよく連絡を取り合うほど密な関係に。私のメンタルや娘を心配してか、遠方の我が家までよく足を運んで下さったり、我が家も帰省の時に義両親のお家を優先して泊まるなどの深い関係がしばらく続きました。

2. 義両親の言動に違和感が蓄積

葉にしずく

そんな密な関係にある中で、義両親が発する言葉に違和感を感じることが度々ありました。でも、その頃は私自身、子供の発達障害を芯に受けとめることが出来ずにいて、「私の育て方のせいで発達が遅れているだけじゃないか」、内心そんな思いが渦を巻いていた時期。なので、育児に関して、義両親に色々アドバイスをいただいて、それを真に受けとめて、改善できることは改善しようと思っており、教えてくださいと義両親にも伝えていたほどでした。本当に必死だった自分を覚えています。

でも、発達障害を理解しているはずの義両親の発する言葉やアドバイスに段々と違和感が芽生えて不信感が蓄積していくことになりました。どんなアドバイスかというと例えば「たくさん言葉をかけてあげないとね」、「子供は手をかけないと」、「片づけができない母親は、片づけてって言えないよね」、「外でたくさん遊ばせた方が良い」、「公園などに連れていかないと」、「テレビばかり見せてはだめなんだよね」などなど。

最初は「ふむふむ・・」と聞いていたんですが、だんだんと自分の育児を否定されている感覚を覚えるようになりました。「たくさん言葉を掛けてきたつまりなのに」、「外にたくさん遊びに連れていっているのにな」、「手をかけていないみたいに思われてる?」、「公園に連れて行ってないみたい」、「ほとんどテレビを見せてこなかったのにな」など、義両親の言葉が心に刺さるようになってしまったんです。

その内「私が頑張らないと!」という気持ちと、「いやいや、私はちゃんと子育てをやってきた」という気持ちが葛藤するようになりストレスを溜めることに。

今振り返ると、「自分の育児の評価を他人に委ねているよ!自分の育児に自信を持って!」と言えるのですが、当時はそんな余裕は一切ありませんでした。

そして、そのモヤモヤした気持ちのまま、どんどんと進んでしまいます・・!

3. 義両親が通っているお寺の説法を受けることに

ショック

私と実の両親との関係や、娘が発達障害を抱えていることなどを心配して、義両親がいつも通っているお寺の説法を私も受けてはどうかとお誘いがありました。

前からも誘われて何度が行ったことがあり、行きたくない思いを抱えつつも行くことに。もともと私はそういう習慣はなかったのですが、お付き合いや義両親の期待に応えたい思いがあって何度か行っていました。それが、自分にとって大惨事となってしまいます。

お寺に着くと、義両親から悩み事はお寺の御住職に相談した方が良いということを伝えられ、私も私で「実の両親が受け入れてくれないこと、実両親との不仲」、「娘が発達障害と言われたこと」などを義両親やその他身内が居る場で相談することに・・。

そうすると、住職から、「あなたはなんてわがままなんだ!あなたがわがままなだけ」、娘を見て「この子は自閉症スペクトラムなんかじゃない」と言われ、なんだか相談してしまった自分、行きたくないのに行くことにしてしまった自分の惨めさやら、色々な感情が渦巻いて、義両親やその家族が居る場で泣くことに。

確かに、「私にも非があるし、わがままな面はある」と分かった上でも、やっぱりどう考えても、「住職の言っていることが正しいとは思えない」と感じたんです。娘の障害に関しての発言は特にです。

大きなショックと共に悔しい気持ちが芽生えるこになりました。

今考えると、なぜ行ったのか。極限にまで精神的に追い詰められている状態で藁にもすがる思いだったんでしょうね。このあたりから、近づきすぎてしまった義両親との関係にヒビが入り始めます。

4.義両親の本音が発覚

紙飛行機

そんな頃に、夫が、義両親から夫宛てに届いたメールを私に見せました。というのも、夫は言葉足らずのことがあって、義両親からの大切な内容も私に伝えずに食い違いが起きることが多々あったので、義両親から届いたメールは自然と私にそのまま見せる習慣になっていたんです。

でも、そのメールは見せてはいけないメール。義両親から「私(妻)には見せないで、見たらすぐ削除してね・・」と書かれたメールを堂々と私に見せる展開に!!

そこには、「義両親の本音」が書いてありました。内容としては、私が色々と義両親に話していたこと、義両親が理解を示していたことが、それは「理解している」という建前で、実は違うということが書かれていました。

今思えば「そりゃそうだよ!」と分かるのですが、当時は義両親に理解してもらえたことがとても支えになっていて、それが建前だったことに大ショックを受けるわけです。

ここで距離を置けば良かったものの恐ろしいことに、メンタル崩壊中の私(母)、さらにこの後、色々な感情が渦巻き、爆発してしまいます。皆さん、この体験を読んで、私のようにならないことを願います!

5.母のメンタル爆発&疎遠

海

まさにメンタル崩壊です。夫へのマル秘メールを見たことは義両親に一切言いませんでしたが、義両親に対して以前と同じように接することが出来ず。もはや、感情が爆発してしまいました。

その後も建前上、アドバイスみたいなメール?が届き、それに言い返すメールを送った気がします。→やっちゃったヤツです。

それでも、たまにはメールのやりとりはしていたものの、建前だというのが分かっているので心がざわついて、それこそ育児に影響する始末。なので、子供に影響するくらいなら距離を置こうと決めました。

一方で、実の両親はというと、徐々に理解をしてくれるように。でも、少しずつ連絡を取り合うようになった矢先、実母から、義理母からの電話で私の育児?に不満があるようだと伝えられます。もーー!実母がそれをわざわざ私に伝えてくるのにも悲しくなり、ここで、心はキャパオーバーになりました。

実両親や義両親との関係は一旦切り離そうと思うように。「今は課題を抱えている娘に時間をかけたり、集中するのが先決だ」と感じ、一気に疎遠になりました。

それから、ほとんど連絡を取ることもなく、時が経過した今でもずっと疎遠のままです。もともとお宮参りなどのイベントには義両親は参加しないタイプの方だったので、ほぼお会いすることもなく、義両親から連絡がくることも私にはほぼありません。

悲しい気もしますが、溝を埋めたいと未(いま)だに思えずにいます。これが、私と義理両親との関係性です。子どもにとってプラスとなる接し方になるよう協力をお願いしたい意味でカミングアウトしましたが、結局その目的は敵わずでした。

子の発達障害、義両親へのカミングアウト!メリットとデメリット。

子どもが発達障害ということを義両親に伝えるメリットは次の通り。

  • 子への理解が進む
  • 対応や接し方に一貫性を保てる
  • 理解してもらうことで親のストレスが減る
  • 子のより良い成長のために協力してもらえる

ただ、このメリットは可能性を示したものであり、義両親が発達障害であることを理解した場合に限られます。万が一、義両親が理解できないとなると、カミングアウトは一時的にでもデメリットが大きくなります。

要は、カミングアウトしてメリットが大きいかデメリットが大きいかは義両親の反応に委ねられることになります。ちなみにデメリットとしては次の通り。

  • 偏見や差別の目で見られる可能性がある
  • 親が非難されたり批判されたりする可能性がある
  • 義両親の反応次第で親のストレスが増える

デメリットだけを先に見ると、相当インパクトが大きくなります。

ぶっちゃけ、カミングアウトして良かった!?

はてな

私自身は実両親・義両親の両者にカミングアウトしましたが、カミングアウトして良かったかというと、義両親とは疎遠になったとしても「カミングアウトして良かった」です。

これまで、周りに子どもの発達障害を隠しながら生活をしてきた経験もありますが、それはそれでとても苦しい生活だったんですよね。堂々と歩いたり、話したりできないというか、どこか後ろめたさがつきまとう感じだったんです。第三者だからこそ耐えられたのですが、それが身内にもとなるとさらにキツいだろうと予測できます。

また、身内であれば、娘のありのままを受け入れてもらいたい、そういう思いも強かったんですよね。実両親に関しては最初は受け入れられずでしたが、いずれ理解してくれるようになり、多大な支援と協力をしてくれるまでになりました。これは、カミングアウトが大きなメリットになったと言えます。

義両親の場合でいえば、カミングアウトしないのもキツいけれど、カミングアウトしても苦しかったわけです。なので隠して苦しいよりは、オープンにして苦しい方が良いと感じます。つまり、カミングアウトに後悔なしです。

義両親へのカミングアウトする際の注意と心構え3つ!

私はうまく行かなかった義両親との関係ですが、皆さんが同じ過ちをしないようにカミングアウトする際の心構えとして注意してほしいのは次の3つのこと。

  • 理解を期待しないこと
  • 義両親であることは忘れないこと
  • 精神的に頼り過ぎないこと

理解を期待しないこと。

義両親の理解が欲しい、そう期待してカミングアウトしてしまうと、そうでなかった場合がとてもしんどいです。本来は、カミングアウトすることで理解を得られるのが一番なのですが、こればかりはコントロールできません。よって、期待してしまうとその差に心が乱れがち。

特に、発達障害を告げられた直後などは、母自身が受け入れるまでに時間がかかったり、精神的に辛い時期が続いていたりするので、つい理解してもらいたいと感じてしまいますが、期待しすぎると、逆に苦しさが増すこともあります。

義両親であることは忘れないこと。

どんなに理解してくれる義両親でも、些細なことがきっかけで関係性が崩れてしまうことがあります。どんなに親切で理解してくださったとしても、義両親であること、嫁という立場(他人)であることを念頭に置き、着かず離れずの距離感がオススメです。

精神的に頼り過ぎないこと。

人に理解してもらえた、分かってもらえたと思うと、ついつい心を許してしまうもの。そうすると、精神的に頼れる存在と感じやすく、依存してしまう可能性があります。

そうなってしまうと、義両親の些細な言葉や行動に心が左右され義両親次第で心の状態が安定したり不安定になったりする原因に。先ほどと同様、適度な距離感を保った関りが大事です。

以上が、「発達障害、義両親との関係はどうなった!?カミングアウトした!?まさかの疎遠に!」でした。

子どもの発達障害を疑ったり、分かった時、考えるとことが一気に増えます。義両親へは伝えるか伝えないのか、これもその1つですが、どういった選択になったとしてもそれがその時の最善の選択だったはず。

後ろを振り返らず、前に進めるよう、応援しています。

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