動く子ども

娘は、幼稚園年少の頃まで、公の場や幼稚園など、聴覚や視覚的に刺激の多い場所では、指示がなかなか通りませんでした。名前を呼んでも振り向かなかったんです。

園でも年少の頃は、「個別に指示をしないと通らない」と先生から報告を受けていたほど。

なぜ指示が通らなかったのかというと、人に関心がなく、人(先生など)に注目していないかったからでした。彼女が注目していたのは、音や感覚刺激、物メインでした。

この呼んでも振り向かない、反応がないということは、集団活動においては若干リスクが伴うんですよね。先生の指示が通らないので、集団行動に難しさが出てきます。

我が家の場合、特にリスクを感じていたのは災害時のこと。災害時に指示が通らずに逃げ遅れるリスクを懸念していました。

成長すれば改善するのかもしれませんが、災害は、突然起こること。少しでも呼ばれたら振り向けるよう、もしくは自分から指示を出す人に集中を向けられるよう当時は必死に対応していた自分がいます。

ということで、「子どもが名前を呼ばれても振り向かないこと」について、我が家の足跡をまとめておきたいと思います。

子ども、名前を呼ばれても振り向かない理由とは!?

はてな

娘の場合は、人よりも周りの刺激に注意が向いてしまうことが原因でした。簡単に言えば、注意散漫でそもそも名前に呼ばれていることに気付かない状態だったんです。

周りの刺激が多いのは家庭外。なので、家庭内では困り感がほとんどありませんでした。郊外に住んでいたので交通量も多くなく、窓を開けても静かな環境。そして核家族なので、家庭内の人数も少ないことから外よりは刺激が少なく、子どもの名前を呼べば反応が返ってくる状況でした。

一方で、一歩外に出ると呼んでも振り向かなくなる頻度が急激に増します。特に、子どもが多く集う遊び場や音が多い場所だと呼んでもなかなか振り向かないんですよね。

つまり、娘の場合は周りの刺激に注意が逸れてしまうことが、呼んでも振り向かなかった原因でした。

名前を呼ばれても振り向かない、発達障害なの!?

光が射す森

我が子の場合は結局、発達障害であることが分かり、聴覚や臭覚の過敏さを抱えていますが、名前を呼んでも振り向かない=発達障害とはならないと思います。

大人でも、人付き合いよりも何かを作っているのが好きとか、集中している時は呼んでも気づかないとか、好奇心旺盛で人の話をあまり聞いていないとか、話しかけても空返事を返しがちな傾向がある方もいますよね。

子どもはまだまだ成長途中。年齢や発達度合いにもよるので、お子さんの中には、注意散漫傾向が強いお子さんもいれば、一つのことや物に熱中しがちで人にあまり関心が向かないお子さんもいて、その結果、名前を呼んでも振り向かないというお子さんもいるかもしれません。

発達障害かどうかについて個人的に重要視しているのは、社会生活に置いて支障があるかどうか。

発達障害かどうかを診断するのは医師なので、これは個人的な意見ですが、生活上に支障が出ないのであれば、発達障害かを探る必要もない気がします。

これが例えば、定型発達とあまりに異なるとか、集団行動が難しかったり、お友達関係でトラブルばかりだとか、他にも生活を送る上で支障があったり、困り事があったり、あまりに不安が募る場合は障害を探ってみても良いかもしれません。

我が家の場合は、人が多かったり、子どもがたくさん集う場では先生が娘の目の前で挨拶をしても目も合わせずスルー、後ろから名前を呼んでも振り向きもせずにスルーの状態でした。

こうなると、集団で指示が通らないので団体行動に支障が出ていた上に、挨拶して下さっても無視しているような場面が常態化し、人から誤解をされかねない状態だったんです。

他にも多々生活上に違和感や支障があり、医師の診察を受けたので、呼んでも振り向かないことが多いから、発達障害を疑ったわけではないんですよね。

よって、名前を呼んでも振り向かない=発達障害というように=(イコール)ではないように感じています。

呼んでも振り向かない、どう練習した!?対応した!?

道

我が家の場合、正直に言ってしまうと、練習したら名前を呼んで振り向くことが出来るようになったということはありませんでした。

でも、集団において指示が通らないのは困るので、どうしたら注意散漫な状態の中で人に意識を向けられるかに焦点を置き、対応を考え練習をしました。

我が家の場合は観察していると、名前を呼んでも気づかない時は、目も合っていないことに気付きました。人に関心が向いていなかったんです。

そして、目が合っている時に名前を呼べば反応が返ってきていました。つまり、目が合っていたりその人の方に意識が向いていれば反応が出来るということ。

なので、目が合わない状態でいかに人に意識を向けさせるかが課題でした。

その対応として、名前を呼んだり呼ばれたりしたら、体に触れて意識を向けさせるようにし、相手の方を向いたり、目を合わせたりすることをずっと繰り返し行いました。

例えば、2~3歳の頃、公的な子どもの遊び場で子どもたちが輪になった状態で、先生が各子どもの名前を呼んで出欠を取っていたんです。

「〇〇くん!」と先生が言えば、その子が「はーい!」と手を挙げるというような場面ですよね。そんな場面で、娘の場合は名前を呼ばれても全く気付かなかったんです。

そんな時に横にいる私が、娘の肩をトントンと叩いたり、体に触れて意識を戻し、先生の方を指差して注意を向けさせるようにしました。

目の前で挨拶されているのに気づかなければ、体に触れて意識を相手に向けさせて挨拶を返すようにし、ひたすら体に触れて人に意識を向け、人と目を合わせる練習を繰り返し行いました。

その内に、子どもたちが円のように丸くなって座ったら先生の方を向くというのがルーチン化し、先生に注意を向けられていれば名前を呼ばれても返事が出来るようになりました。

体に触れられたら、意識を向けることが出来るようになれば、最悪は先生にその情報を共有し、集団行動が始まる園でのサポートをお願いすることが出来ます。

即席ですぐに改善する方法はなかったのですが、我が家はこのように対応しました。

名前を呼んでも振り向かなかった子、成長してどうなった!?

四つ葉のクローバー

ズバリ、我が家の場合は成長と共に名前を呼ばれたら振り向ける範囲が広がり、注意散漫さは残っていますが生活上の支障はなくなりました。

小学校の頃には体に障って意識を向けさせることもなしです。

この名前を呼ばれたら返事をすることに関しては、我が家の場合、人への関心が改善への鍵だったように思います。そして、人への関心は成長によって増していきました。

最初は大人への関心、そしてお友達への関心が芽生え、人に意識を向けて反応できるようになったということ。この人への関心が芽生えたのが娘の場合はかなり遅かったです。

親として人への関心を向けさせるサポートは出来ますが、こればかりはお子さん次第のところがありますよね。

その頃はなんとか改善しなくてはと必至で苦しいことが多々あったんですが、メインは子ども次第。あくまで人へ関心を向けるサポートをするというスタンスだったら少し気持ちが楽だったかもしれません。

これはあくまで我が家の例ですが、1つの例としてこの情報が少しでもお役に立てると嬉しく思います。

以上が、名前を呼んでも振り向かないことへの我が家の足跡でした。

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